酷すぎる! 勝手に赤瀬川原平の名を使いコラムをねつ造した『Free&Easy』
これ、とてもじゃないですが許せない話。
前代未聞の文章捏造
Free&Easyといえば、歴史の長い男性向けファッション雑誌として有名。私はあまり読んだことがありませんが、書店で平積みされているのをよく見かけるので、人気のある雑誌なのでしょう。
そんな雑誌で、ある文章の捏造が発覚しました。
対象の号はこちら↓
Free & Easy (フリーアンドイージー) 2014年 06月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: イースト・コミュニケーションズ
- 発売日: 2014/04/30
- メディア: 雑誌
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2014年6月号に掲載された作家・赤瀬川原平さんのコラム。内容は今年の3月に逝去されたイラストレーター・安西水丸さんへの追悼文だったのですが、あろうことかこのコラムは編集者による完全な創作文だったことが判明しました。正直、信じられません。
ロック詩人・辻元よしふみさんが、自身のブログにてこの捏造問題を紹介したことでやっと一般に広がってきた印象ですね。
「Free&Easy」6月号が赤瀬川原平氏らの文章を「ねつ造」した問題について: ロック詩人・辻元よしふみのブログ
詳しくは辻元さんの記事を読んでいただければと思いますが、簡単に流れを書いておきますね。発覚のもとになったのは、辻元さんが所属している日本文藝家協会から定期的に送られてくる「文藝家協会ニュース」の「著作権管理部より・先月の相談から」というコーナーに挙げられていた相談文がきっかけのようです(以下引用)。
「Free&Easy」6月号が赤瀬川原平氏らの文章を「ねつ造」した問題について: ロック詩人・辻元よしふみのブログ
執筆した覚えもなく、インタビューも受けていないのに、自分の名前の文章が雑誌に掲載されていた、というとんでもない事件が発生しました。
男性向けのファッション誌「Free & Easy」6月号に赤瀬川原平さんのコラムがあります。安西水丸さんの追悼特集ですが、追悼にはふさわしくなく、赤瀬川さんの書きぶりでもない不思議な文章です。
奥様から「主人は入院中なので、書いてもいないし、インタビューも受けていない。編集部に確認したが、誠意のある対応ではなかったので、協会からも何事が起きたのか調べてほしい」とご連絡がありました。
編集部に電話すると、奥様がおっしゃるように「担当者が不在でわかりません。連絡しますのでお電話番号を」という頼りない対応です。メールアドレスを伝えたところ、2日後に「説明したい」というメールが届き、ほどなく電話がありました。結論は、過去に2度、インタビューした編集者が、勝手に書いた文章でした。
編集長と2人でお詫びに行くと言われたが、謝られてもしょうがないので、店頭からの回収とバックナンバーの販売をやめてくれるように伝える、と赤瀬川夫人。
角田光代さんの文章が次のページだったので、確認したところ、「『週刊朝日』に以前に書かれたものを無断で話し言葉に書き直しました。申し訳ありません。店頭からは回収しました」という手紙が編集部から届いた、とのことです。
もちろん捏造していたこと事態が大問題ですが、何より編集部対応の杜撰さにあきれました。店舗から回収しバックナンバーを販売しないようにしただけでこの問題が解決するわけもないですよね。インタビューした内容の受け取り方にニュアンスの違いがあったとかならまだ分かりますが、そもそもしていないインタビューを著名な作家の名前を騙って勝手に創作し、著名な雑誌のコラムとして掲載するなんて、どういう神経をしているのでしょうか。まさか、黙っていればバレないとでも思っていたというのか。
と思っていたら、すでにこんな記事が↓
赤瀬川原平さんらの記事捏造…雑誌「Free&Easy」6月号 : 社会 : スポーツ報知
こちらの記事によると、
赤瀬川さんの妻尚子さんは「当時、本人は入院中で、取材を受けるはずがなかった。編集部から『気が付かなければいいだろうと思ってやってしまった』との説明を受けたが、それは理由にならない」としている。
とのこと。いやいやいや、『気が付かなければいいだろうと思ってやってしまった』って!全く理由になっていないし、とても歴史ある雑誌編集部がやっている対応とは思えない。酷いものです。
雑誌をくまなく読んで、全てが真実であるとは私は思っていません。読者の声や意見・投稿ネタやコラムなんかは適当に書かれているであろうことは理解して読んでいます。ランサーズやクラウドワークスでそういった記事を格安の単価で執筆募集しているのをみると、大体どこの編集部でも似たことはやっているんでしょう。
しかし人の名前を使って勝手に文章を綴って掲載するなんて、バカの所業にしか思えません。今回は大御所の名前でしたが、大御所ですらこの扱いなのであれば、並のライターや作家の名前なんかは遠慮なく借用しているんだろうと予想できますね。今回の事件は多くの同業者の権威を失墜させる大問題だと思います。幸いなことに大手メディアでもこの問題がニュースになっているようですので、ぜひ真実を暴き出してもらいたい。なし崩しに立ち消えさせてはいけない、大問題ですから。
ラジおこしで読む、「自殺者は『本質的』に減らない」という事実。
衝撃を受けたこの記事をご紹介。
「2000人減ったのではなく、また2万8000人増えたんです」:自殺対策NPO代表・清水康之氏が語る、自殺対策のいま | ラジおこし
自殺者は「本質的」に減らない
イケダハヤトさんがアドバイザーとして関わられているラジオ番組の書き起こしメディア『ラジおこし』。お笑い芸人のコンテンツ、特にハライチの番組ネタは爆笑もので、ラジオを聴く習慣のない人(私含む)にとっては書きおこしでいつでも読めるというのは大変ありがたいサービスですね。
そんなラジおこしが今回取り上げたのはJ-WAVE『JAM THE WORLD』。メディアアクティビストの津田大介さんが火曜日にナビゲーターを務めているのですが、対談相手は自殺防止の取り組みを行なっているNPO法人ライフリンクの清水さん。JAM THE WORLDは津田さんのメルマガ『メディアの現場』でよく文字起こしされているので、おそらくこの回もそのうち掲載されるのかと思いますが、いち早く文字化してくれたラジおこしには感謝!
さて、その内容なのですが6月3日に閣議決定されたばかりの自殺対策白書に絡めての話でした。
毎年約30,000人が自殺により亡くなっている我が国日本ですが、ここ数年では減少傾向があるそうです。ここだけ聞くと『減っているのは喜ばしいことだ』と思いがちですが、清水さんは津田さんとの対談でこう話されたようです。
(前略)
清水:しかも「減ってる」と言っても年間ベースで見れば減っているというだけであって、本質的な意味では自殺で亡くなる方の数って減ることがないんですよね。
津田:それはなぜですか?
清水:例えば、失業者数であれば失業状態にある人が増えれば「失業者」は増えますよね?
津田:そうですね。
清水:でも、その人たちが就労すれば失業者数は減るわけです。まさにこれは増えたり減ったり、という感じなんですけど、自殺で亡くなった人というのは一度亡くなったらもう二度と生き返ってくることはないわけです。
津田:あっ、たしかにそうですね…。
清水:たしかに3万人だった年間の自殺者数が翌年、2万8000人になったとしたら、年間ベースで見たら2000人減ってるけど本質的な意味ではまた2万8000人増えたってことなんですよ。
津田:なるほど、これは全く数字の捉え方を変えなければいけないということですね。
清水:そういうことです。
これは盲点でした。確かに失業率が変動していると、「昨年に比べて今年は就職できた人が増えたんだな〜よかった。」とか「ああ、今年は去年よりも悪いのか・・・転職はやめておこうか。」なんて考えがちですが、自殺者数が減っているというのは失業率が減っているのとはわけがちがう。自殺者はもう2度と戻ってこない人たち。その年に亡くなった方は、次の年にはカウントされない。
つまりタイトルのとおり、2,000人減ったのではなく、また28,000人自殺者が増えたと数字を読まなければ問題の本質が見えてこないんですね。正直、かなりショックを受けました。ただ漠然と「自殺者は減っているんだな〜」と思っていた自分を叱りたいところです。
清水さんと津田さんの対談は電話で、時間はたった10分程だったそうですが、とても濃密な会話だったことがラジおこしの記事から伺えます。
1日に80人近くの人が自殺で命を失っているこの国。数字は雄弁ですが、上手に使わないと数字に操られてしまう側面もあります。今回の自殺者が減っている「ようにみえる」数字もそう。「年間約30,000人が自殺している」と言うのと、「1日に約80人が自殺している」と言うのでは受け取り方が変わってくるでしょう。ひょっとすると自分のまわりにいる人がその1人になるかもしれない。そう思える数字は後者の方なのかもしれませんね。
Podcastのおかげもありラジオを聴ける環境は十分に整っているにも関わらず、文字コンテンツにならない番組が多いのはもったいない。この『JAM THE WORLD』は津田マガで紹介されることもあるのでまだいいですが、ラジおこしに限らずおもしろいコンテンツが文字で残る仕組みができればいいのになって思いました。
- 作者: ショウペンハウエル,Arthur Schopenhauer,斎藤信治
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1979/04
- メディア: 文庫
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あなたにとって「死」とは何ですか? 『かないくん展』フォトレポート
2014年5月16日から6月2日の間、パルコミュージアム(渋谷パルコパート1の3F)で開催されていた松本大洋×谷川俊太郎×糸井重里の手による絵本「かないくん」の展示に行ってきました。すぐにレポートをアップしようと思っていたのですが、その「死生観表現」があまりに心に響いてしまい、思うように文章を綴ることができず、結局完成が今頃になってしまいました。展示終了後で申し訳ないですが、少しでもこの展示で味わえる「死」や「生」の本質について伝わればいいなと思います。
かないくん展・フォトレポート
パルコスペースの入り口に大きく描かれた「かないくん」。
松本大洋さんの絵はとても優しいタッチで、まっすぐ前を見据えたかないくんの目には何が映っているのでしょうか。首に巻いた真っ赤なマフラーが、否が応にも「死」の臭いを醸し出しているのは皆さんにもわかるかと思います。
かないくんの視線の先を進むと、そこには歓迎の言葉を書いたボードと、なんと「遺影」となった糸井重里さんの姿が!
2枚目と3枚目の写真を見比べるとわかるかと思いますが、この糸井重里さんの絵は動きます。しかもしゃべります!それも陽気に。あっけにとられる趣向ですね。しかし「死生観」を表現した絵本の展示場で自ら遺影になってしまうとは・・・恐るべし、糸井重里。
糸井さんの遺影の横には、詩人・谷川俊太郎さんの詩が2編。
問いかけたいものはもうなくなっていた
答えが分かったからではなく
答えが分からないことが答えだと知ったから
答えなんて、必ずあるというものではない。
ときには導き出せない答えがあったりするもの。
特に若いうちは、早くに答えを求めがちでしょう。答えを探して、探して、探して、それでもみつからないものは、ひょっとすると答えなんてないのかもしれない。私は「死」に答えはないと思う。人の数だけ「死」はあるし、「死後」もある。人の数だけ「生」があるように。
SWITCH Vol.32 No.5 ◆ HEROES ヒーローを待ちながら ◆*ピンポン特製ステッカー付録
- 出版社/メーカー: スイッチパブリッシング
- 発売日: 2014/04/20
- メディア: 雑誌
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【※移転しました】『おひとりさま』を堂々と楽しめる女性はカッコいい!
らくがきカフェ『GINZA RAKUGAKI Café & Bar by Pentel』体験レポート!
店内全てに落書きできる「ぺんてる」の期間限定カフェ『GINZA RAKUGAKI Café & Bar by Pentel』に行ってきました!
店内全てに落書きできる「ぺんてる」の期間限定カフェ『GINZA RAKUGAKI Café & Bar by Pentel』 が6月2日にオープン! - ヘンテナブログ
↑先日書いたこの記事。コンセプトのおもしろさか、けっこうなアクセスが集まりました。
もう行きたくてしょうがなかったので開店初日にさっそく足を運んでみたのですが、大手メディアの取材が多数入っていたことと、開店日から数日分は予約でいっぱいだそうで残念ながら食事をすることはできませんでした。無念。
ですが、心優しいぺんてるのスタッフさんが「自由に落書きしていただいて構いませんよ」と言ってくださり、思う存分落書きしてきました。しかも写真撮影もフリーでしたし。ブロガー思いの素晴らしいスタッフさんでした!ありがとうございます。
というわけで、今回は写真をメインにレポートしていきますね。
それではまずは所在地から↓
距離でいうと、東京メトロ銀座駅から歩いて3分くらい。正直、前を歩いているだけではわからないと思います。ビルの7階にあるのですが、1階の入り口前には小さな立て看板があるだけなので、注意深く見渡した方がいいかもしれません。
エレベーターでビルの7階まで昇ると、こんな光景が↓
おお!
ぺんてるの有名な筆記具がオシャレに並べられている!
決して高い文具ではなく、むしろ気軽に手に取れるくらいの文具に良作が多いのがぺんてるの特徴ですよね。特にこのサインペン!↓
おそらく誰もが知っているであろう一品。
大体100円くらいで文房具屋だけでなくコンビニでも売っていたりするこのサインペン。書き心地が半端なくいいんです!スラスラっと書けるとはこういう事かと得心すること間違いなし。私のカバンに必ず1本は入っています。
ちなみにこのカフェに来店するとこのサインペンが貰えます。「何本でもどうぞ」と言われましたので、遠慮なく4本貰っちゃいました。一切お金払ってないのに、なんだかすみません…。
※ブログ移行につき、続きは以下の新ブログでどうぞ!
らくがきカフェ『GINZA RAKUGAKI Café & Bar by Pentel』体験レポート!
http://hentenna-project.com/2014/07/07/ginza-rakugaki-cafe-bar-by-pentel/
【※移転しました】5分でつくれるJ-POP講座・初級編
これで僕にもJ-POPがつくれるよ!やったね!
誰でもJ-POP歌詞が作れるチャートを友人と作成したのでご自由にお使いください pic.twitter.com/t2vaOkVodF
— ジェット・リョー (@ikazombie) 2014, 5月 27
※続きは新ブログへどうぞ!↓
5分でつくれるJ-POP講座・初級編
『いいだろ、俺の嫁』 嫁自慢プラットホーム「Yomejiman」
こんなプラットフォームをみつけました。
いいだろ、ウチの嫁。
いつからなんでしょう、非モテ男子を中心に「俺の嫁」として自分がこよなく愛するアイドルやキャラクターを自慢するようになったのは。現実世界に折り合いがつけられず、妄想とゲームと本の世界の住人となっていた学生時代、私も表にこそ出しませんでしたがひそかに「俺の嫁」を勝手に設定していたことがあります。
その時代によって対象は違いました。ときにはアイドルだったり、ゲームの女性キャラクターだったり。そう、「俺の嫁」に次元は関係ないんですよね。例えテレビやパソコンの画面から出てこない嫁だとしても、本人がよければそれでいい、そんなものです。
しかし私の学生時代は、こういった「俺の嫁」を信用できる筋(オタク友だちとか)以外に自慢することはなかったように思います。というか、学校でそんなことしたら死活問題でした。確実に居場所を無くします。
時代は変わったものでネット上で「俺の嫁」を自ら晒す人たちが増えてきました。元々は匿名で公開できる電子掲示板等から普及したものと考えられますが、先日「俺の嫁」をソーシャルアカウントに紐付けた上で、ポータルに晒して自慢しあおう、何なら羨ましがらせてやろうじゃないかというコンセプトの、ケッタイなプラットフォームが現れました。それが冒頭の「Yomejiman」です。早くも一部で話題を呼んでいますね。
「Yomejiman」の制作者・razokuloverさんとは?
このケッタイな(褒めてます)サービスを開発したのは@razokuloverという方。一般的に有名な方かどうかは知りませんが、以前ネット上で話題を呼んだことがあります。
Google Adwordsというサービスを知っているでしょうか?これはGoogleでの検索結果画面に広告を出すことのできるサービスなのですが、razokuloverさんはこの広告を使って自分の彼女を募集するという暴挙に出ました。私も詳細まではよく知らないのですが、なんと5件応募があったそうなんです。しかもその内の1名と交際するまでに発展し、なんと今年結婚にまで至ったというから驚き!まず広告で彼女募集するという発想がスゴイですが、結末もスゴイ。
そんなrazokuloverがこのサービスを開発したのですが、要するに自分の嫁を自慢したかったということなのでしょう。すでに開始しているこのプラットフォームには、自慢の嫁がつくった食事の写真がたくさん公開されています。いや、もう結構ですから!お腹いっぱいです!(いろんな意味で)
嫁の次元は問いません!
このサービスはTwitterやFacebookのアカウントがあれば簡単にログインできます。嫁の写真と嫁への熱い想いをメッセージ欄にぶち込んだら、あとは公開するだけです。簡単ですね。Facebookでいう「いいね」にあたるボタンとして「いいな!」ボタンも用意されていますので、他人の嫁を羨ましいと思ったら渾身の憎しみを込めてクリックしてあげましょう。
ちなみにこの「Yomejiman」、自慢の嫁が何次元であろうと問題なく投稿することができます。リアルな自分の嫁を自慢するもよし、決して画面から出てくることのない電子嫁を自慢するもよし、はては別に人間である必要すらなく愛猫自慢をしている人もいました。判断基準は自分です。自分が嫁だと思えればそれだけでいいんです。ステキ!
面白そうなサービスがあればとりあえず利用してみることに決めている私。さっそく私の「自慢の嫁」を投稿してみました。
黒歴史を掘り起こすかのように、過去好きだったアイドルやキャラクターにしようかと思いましたが、自分にダメージがあるだけで何らいいことがなさそうだったので、今推している彼女にしてみました。こういうのを見ると「うわ・・・」って引く人もいるんだろうなと思いますが、あえてやってみました。これで失なうものなんて、結局たいして大事なものではないでしょうしね。
まぁ「俺の嫁」に限らず、自分の「推し」を素直に表明しあえる世界になればいいなと思いますね。好きなものは好きなんだし。
そんなステキなサービスです。みなさんも「俺の嫁」を表明してみませんか?
良い嫁|Yomejiman - 自慢の嫁です。 一応地球上に存在する「今会えるアイドル」の彼女ですが、もっぱらテレビ画面でしかふれあえないのが難点。念に数回のライブでのみ肉眼で確認でき... http://t.co/8bzQ0gWy0t
— hayakawa.gif (@razokulover) 2014, 6月 1