連続ドラマ「鈴木先生」を(DVDの4巻まで)観ました。
もともと武富健治原作のコミック愛読者で、それこそ「折にふれて」読んでいました。それだけにドラマ化と聞いて、不安感が強かったのを覚えています。
教育モノのドラマは数多く、それこそ金八先生から、GTOの鬼塚英吉、ごくせんのヤンクミ、女王の教室の阿久津真矢など、それぞれ多種多様な教育方法を行なっています。その中でこの鈴木先生は、地味です。ビジュアル面は圧倒的に普通です。インパクトはありません。鈴木流教育メソッドについて、私はかなりの信奉者ですが、テレビドラマでウケるのかどうか、非常に心配でした(案の定、視聴率は2%あたりだったと伺っています)。しかし、DVDになって、とても売れてきているそうです。しかも2013年1月には映画化されます!感涙!待望!
ドラマで描かれる教育モノは得てして、不良や、手のかかる生徒を主題に捉えがちです。まぁそのほうが物語が起伏に富んで面白みが出るものだとは思います。そしてその生徒が改心してめでたしめでたし、で終わる物語がなんと多いことか。私はそういった教育モノ、主に不良モノが嫌いです。
そんな私が「鈴木先生」に魅力を感じている理由として、手のかからない子にも意識的に手を差し伸べていることが挙げられます。マンガの5巻に
「世間でも現場でも、今は落ちこぼれや問題児がいかに傷ついているか、そこに意識を割くことに傾いている・・・まだ足りないまだ足りないと・・・それはそれで真実だが。だけど、今の学校教育は我々が普段思っている以上に、手のかからない子供の心の磨耗の上に支えられているんだ。」
という鈴木先生の言葉があります。この言葉が心に響きました。私が学生時代に感じていた心の磨耗はこれだったのか!と。私も、いわゆる「手のかからない子供」でした。学生時代、手のかかる不良たちに振り回されている先生や、それをかっこいいと思ってしまう異性に対して、恨みや妬みのようなものを感じていたことがあります。それだけに、「普通」の生徒の小さなシグナルに気づいて、鈴木流メソッドで教育していく鈴木先生の姿に感動しました。このマンガ、教育に携わる方、子供のいる方には絶対に読んでもらいたいです。
- 作者: 武富健治
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2012/12/12
- メディア: コミック
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さて、そんな鈴木先生のドラマ版ですが、マンガの素晴らしさが損なわれていることを想像すると恐ろしく、放映時には観ませんでした。視聴率が低かったことを受けて、観なくてよかったーと思ったものです。しかし最近になって映画化が発表され、DVD販売も好調で、気になってきたことと、鈴木先生外典が発売されたこと、近所のゲオでレンタルが80円だったことから、適当に4巻までを借りてきたのですが・・・5巻を借りなかったことを後悔しています!(泣)あー、鈴木裁判編観たい!!
はっきり言って、このドラマは傑作です。1話ごとに大泣きしてしまいました、感情移入しすぎて。あまり有名な役者は出ていないにも関わらず、学芸会レベルの演技をする生徒はひとりもおらず、ただただ演じられるドラマに魅入ってしまいました。
この作品でもっとも重要なのはカミサマこと小川蘇美をだれが演るか、ということですが、配役されたのは土屋 太鳳(つちや たお)という女の子。正直写真を見る限りはロングヘアが小川と結びつかず、どうなんだろう?と思ったが、1話を観てこれはまさしく小川だと確信した。佇まいはまさにカミサマ!
マンガでは端役も1人の血の通った人間として描かれていたが、それはドラマ版でも活かされており、原作のイメージを壊すようなものは何一つ無かった。思い入れの強いマンガだけに、ここまで昇華されているとは思わず、早く観ておくべきだったと後悔。原作愛に満ちています。
今後、観た内容もどんどんまとめてブログにアップしていきたいな。
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2011/09/07
- メディア: DVD
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