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http://hentenna.hatenablog.com/entry/2014/03/09/121004

連続ドラマ「鈴木先生」最終話を観ました。

DVDの5巻を借りなかったことを後悔した日から幾日・・・ようやく最終話「鈴木裁判」を観ました。ドラマでは2話連続で鈴木裁判が行われましたが、やはりマンガの分量をすべて収めることは難しかったと見え、端折られた部分は多かったですが、重要なポイントは網羅されていたように思います。マンガでもこの話は中盤のキモとなる部分なので、楽しみ半分不安半分でしたが、結果から言うと、素晴らしい出来でした!疑問に思う改変もあったのですが、それより先に良かったところを。

 

私が中学生のころ、この生徒たちと同じように性教育を受けていました。あまり細かいことまでは覚えていないですが、足子先生をはじめとする一般的(という言い方は間違いかもしれませんが)な考え方・教え方のように、するなら「つけてしなさい」や「つけてするべきだ」という形で教わったように記憶しています。要するに、中学生がセックスをすることを「認めて」いる、という形でした。この教わり方のもとで、「まだ未熟な中学生がセックスをすることは許せない!間違っている!」となるのは、いささか矛盾が生じていると思います。実際そういったことを言われた際に、もやもやとした、今ひとつしっくりこない感情を抱いたことを覚えています。

 

鈴木先生は言いました、‘’今の俺たちの世の中では、「つけてする」という選択が、「許されている」‘’と。ただ、許されているだけなんだと。そう考えると、「するならつけなさい」という対症療法的な責任感と、生命の神秘の尊重を礎とする真心の責任感が両立でき、わかりあうことが可能であると。私はこの考え方に、単純に感動しました。

「ああだこうだと計算する必要なくひたすら純粋に求め合えるセックス・・・それこそが最高に美しい、すなわち魂の誇りと世界を思いやる心の和合した・・・道徳的なセックスだ。--(中略)--もし、それがかなう相手とそれのかなう状況・・・そしてそれのかなう自分の3つが揃ったときに、つけないセックスができるのなら、そんな幸せなことはない・・・つけてするというのは、それらが揃わない者に許されているだけだ。決して胸を張って人に言いふらせることでも良いことをしているのだと自慢できることをしているのでも何でもない。」

いま、この教え方が必要なのではないでしょうか?私は真にそう思います。

 

さまざまな価値観を一人一人自由に選択することができる現代は、その多様性ゆえに、争いか無関心という両極端な選択を選ぶ人が増え、それぞれ個々の胸の内は「単一性」であると鈴木先生は説く。その中で、折り合えないながらも話し合い、葛藤し、価値観の共存の道を探り始めれば道が見えはじめる。そこで出たものは、折り合えないものだったとしても、以前よりはずっと似通ったものとなっているはず。そして、折り合ったとしてもそれは決して「単一性」なものではない。中身はそれぞれ、豊潤でバラエティ豊かなものだから。

そして、その先に確固たる「答え」が出なくても、鈴木先生は構わない。生徒の土田さんが中学生らしい、いいことを言ってくれている。「数学だって・・・途中式まで合ってれば先生は半分だけでも点くれるよ!最初からあきらめて・・・話を聞く前と同じ文句ばっかり言ってる人と同じにされたくない!」

結果、鈴木裁判に明確な判決は下されなかった。鈴木先生に罪があるかはわからないまま・・・だけど生徒たちに、裁判前の暗澹たる気持ちは無い。生徒たちは、さまざまな価値観を持つそれぞれの意見を聞き、咀嚼し、吸収し、はたまた吐き出し、重なり合う価値観を共有した。だがそれでも、誰もが納得できるようなひとつの答えは出せなかったのにだ。

思考停止なままによく使われる「価値観は、人それぞれ」という言葉は、ここまでいって初めて使っていい言葉だと思う。たとえ答えが出なくても、いいんじゃないだろうか?そこにいたるまでの道筋で、折り合えるものがあるならば。(混同しないでほしいのは、結論・結果を出すことが必要なホンモノの裁判や、ビジネスでは違う面があるということ。もちろん個人の価値観や成長の面では結果が出なくてもいいことはあるでしょうしね)

 

そんな、本質に気づかせてくれるような素晴らしいドラマでしたが、原作の改変で気になったことが2点、鈴木先生が中村に嘘をつくシーンの追加と、足子先生の扱いです。

まず嘘をつくシーンですが、そもそも必要でしょうか、これ?何の演出のために追加したのか、私にはわかりませんでした。確かにストーリー上、普通なら嘘をつくだろうなと思うシーンですが、鈴木先生ならきっとここで嘘はつかないだろうし、後述の足子先生の扱いが変わったため仕方なく追加したのかなとも思いますが、イメージ的にもそぐわないですし不要だったかと思いますね。

そして足子先生ですが、最後の方で鈴木先生が赴任するまでは教育熱心な先生だったことがわかりフォローされるとはいえ、神田マリの悪事の片棒を担いでいるような演出が加わり、ドラマには登場しない関先生の損な役割も振られ、かつ富田靖子の怪演(見事!)もあり、ワルモノの印象が強くなりすぎてしまった感があります。

 

つらつらと書いてきましたが、何はともあれ傑作です。原作が好きなら観て損は無いでしょうし、中学生の演技も素晴らしいですよ!これから伸びていくであろう原石のような子がわんさかいますし、本当に隅から隅まで楽しめました。私が目をつけているのは、

・小川蘇美役 - 土屋太鳳

・樺山あきら役 - 三浦透子

・河辺彩香役 - 小野花梨

・中村加奈役 - 未来穂香

・岬 勇気役 - 西井幸人

あたりですね。土屋太鳳は割と有名になってきているようですが、イチオシは三浦透子。このコは大成するんじゃないかと思います。

 

それでは長くなりましたがこの辺で・・・何度かマンガも見直しながら、次は劇場版を観て、感想を書こうと思います!

鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)

鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)

 

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