「鈴木先生」の心に響いたコトバを選んでみました。
鈴木先生のことばかりブログに書いていますが、今回は私の心に響いたコトバをピックアップしてみました。
- 出版社/メーカー: ピクトアップ
- 発売日: 2012/12/18
- メディア: 雑誌
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※鈴木先生が第2特集で組まれています。読み応えのある内容でおススメです。600円とお安いですし。
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第1話
「たしかにあなたには被害者という側面があるかもしれません。ですが、ぼくがこうして、仕事にせよ全力で耳を傾け、協力しようと努めているのは、あなたが被害者だからではありません。我々が同じ教育者の立場にあるからです。たとえ相手が加害者であろうと、あなたは教育者として、彼に向き合わなくてはなりません」
第2話
「自由な討論が常に最良の道でしょうか。この問題はデリケートで、根が深い。子供たちは両親から授かった教育やしつけ、家族の価値観までも背負って討論しなければならなくなります」
「相手を打ち負かし、自分を押し通すためだけの正義と、罵り合いに落ちてしまう――」
第5話
「大変だけど、嫌われ役や、笑われ役に逃げないでください。いつまでも、あたしたちから見て憧れられる先生でいてください。あたしもやるから・・・大人から見て、いいなって思える中学生をやるから」
第6話
「これはOKで、これはNGっていうラインを引く場所は、個人個人によって、変わってくると思うんです。それぞれの線引きを集めて、平均化したものが世間の良識なり、常識になってる。でも、その平均値にとらわれ過ぎると、却って判断を誤ってしまうこともあると思うんです。」
「男が父親としての責任を持ち、女が母性に目覚めれば、そこに苦労はあったとしても、不幸は存在しないはずです。」
「避妊とは、そもそもセックスから本来の目的である、子供を作るという部分を切り取り、快楽だけを楽しむための技術に過ぎません。つければいいという安易な避妊指導は、セックスが単なる娯楽になり得るという事実を、子供たちに教えてしまっているような気がするんです」
第9話
「他者を批判することで、自らを正当化する者のなんと多いことか。自分の意見を押しつけようと躍起になり、相容れない意見は、相手の人格までも否定する者のなんと多いことか。こいつはら、そんな大人たちの何倍もすごい」
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色を付けたところは、特に好きなところです。小川蘇美が鈴木先生に言った「大変だけど、嫌われ役や、笑われ役に逃げないでください。」というコトバは本当に身に染みました。困ったことやミスをしたときに、私はこうなってしまうところがあると自覚しています。そうしたって、なんの良いことも、解決にもならないのに。
コトバというものは、要約できないのかもしれないと、最近思い始めました。もちろん一言名言みたいなものはありますし、ガンジーの「永遠に生きるかのように学べ。明日死ぬかのように生きろ。」というコトバは、私の心の支柱になっています。しかし、上記の鈴木先生のコトバは、書きだした以上に要約することはできませんでした。「伝える」には、これだけのコトバが必要なのだと思います。
伊坂幸太郎さんの著作「モダンタイムス」に、人生についての以下のコトバがあります。
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人生は要約できねえんだよ。
人ってのは毎日毎日、必死に生きてるわけだ。
つまらない仕事をしたり、誰かと言い合いしたり。
そういう取るに足りない出来事の積み重ねで、
生活が、人生が、出来上がってる。だろ。
ただな、もしそいつの一生を要約するとしたら、
そういった日々の変わらない日常は省かれる。
結婚だとか離婚だとか、出産だとか転職だとか、
そういったトピックは残るにしても、
日々の生活は削られる。
地味で、くだらないからだ。でもって
「だれそれ氏はこれこれこういう人生を送った」
なんて要約される。
でもな、本当にそいつにとって大事なのは、
要約して消えた日々の出来事だよ。それこそが人生ってわけだ。
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これを読んで、本当に大切なことは要約できないんだと、実感しました。
良い本ですよ、モダンタイムズ。
- 作者: 伊坂幸太郎
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