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押切蓮介「ハイスコアガール」3巻を読みました。

毎年恒例、宝島社の「このマンガがすごい!」でオトコ部門第2位、テレビブロスのコミックアワードではなんと首位を獲得した「ハイスコアガール」の3巻がクリスマスに発売されました。書店によって違う初回特典が付くとのことで、悩んだ末にポストカードが付く有隣堂を選びました。カードの絵柄はこちら↓

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このマンガに共感できるのは現在20代後半~40歳くらいまでで、テレビゲームやゲームセンターが大好きな男性に限られるのではないでしょうか?そんなマンガが、その年のマンガランキングベスト3に入るとは愛読しながらも予想だにしませんでした。

 

作者の押切蓮介さんの作風は、大まかに分けて以下の3種類になるかと思います。

ひとつは、出世作「でろでろ」や「おどろ町モノノケ録」に代表される妖怪&ギャグモノ。

ふたつめは、「ミスミソウ」や「サユリ」に代表されるホラー・怪奇モノ。

そしてみっつめに、この「ハイスコアガール」や「ピコピコ少年」のようなゲームモノ。

※ちなみに最近ようやく復刊された「猫背を伸ばして」という自伝マンガも傑作です!

絵柄は好みが分かれると思いますが、押切さんの描く女の子は本当に可愛らしいと思います。どのマンガも同じ造形のキャラクターなのは良し悪しですが・・・。

 

ハイスコアガールの主人公、ハルオは小学6年生ながらにゲームセンター通いをする若きゲーマー。通っているゲームセンターでプレイする格闘ゲームは「ストリートファイターⅡ」。そこで7連敗を喫した相手が、同じクラスの衆目美麗、成績優秀なお嬢様「大野晶」だった。どこで練習をしているのか、圧倒的な強さ・上手さで対戦相手を屠っていく。そんな大野に、ゲームしか自分の生きていく道はないと考えるハルオは、対抗意識を燃やしながら対戦や協力プレイを続けて、「ゲーム」を通じて奇妙な親交を深めていく。このヒロイン「大野」のキャラクターが実に魅力的。マンガは現在3巻まで出ていますが、全くといっていいほどセリフがありません。しかし同じゲームという趣味を持つハルオに対して、会って嬉しい気持ちと、同属と素直に認めたくない複雑な心境が表情と行動にあらわれ、実に愛らしいんです。

もうひとり、このマンガを彩るのが普通の女の子「日高小春」。勉強しかやることがなく、遊びの才能がないと人知れず悩む彼女には、ゲームに全ての情熱を注ぐハルオの、自由きままで、自分に正直な行動ができるところに憧れをもっていた。小春は、そんなハルオに対してこ

う思う。

”あんなに眼をキラキラさせて・・・ゲーム好きで一方通行な面があるけど・・・何かに夢中になってる男の子って妙に魅力的なんだよな・・・”

私を含め学生時代を黒歴史として過ごしてきた者には、もう逝ってもいい!とさえ思えるような言葉ではないでしょうか(私だけか・・・)。

 

大体において、ゲームやアニメ、マンガに夢中になっている男子に対しての異性の目は冷たいものです。同じようにスポーツや音楽に夢中になっている男子は「カッコいい」となるのに。

自分ではゲームもするしアニメも観る、マンガも読むくせに、アニメやマンガの部活をやっている者に対しては気持ち悪いものとしてみる。私はそんな感情が学生当時から全く理解できませんでした。協調性を育てようとして、実のところ同調性を育てているだけにしか感じられなかった学生生活において、「友達がそういっているから」とか「嫌いって言っておいた方が差し障りないから」という理由で見られていただけかもしれませんが。”魅力的に感じることに夢中な人を魅力的に感じる”日高小春は、私が学生時代に出会うことがなかった”魅力的な女の子”だと思っています。

 

ハイスコアガールは幻想です。

現実には、ハルオのようなある種羨ましい学生時代をすごしたヘビーゲーマーはまずいないでしょう。でも皆、少なからずこう思っていたはずです。

「ゲームが好きな自分を、肯定してくれる彼女(女友達)が欲しいな。」

「ゲームについて語り合える女友達が欲しいな。」

 

私が高校生のころ、ハルオに負けないくらいのヘビー格闘ゲーマーでした。学生生活に楽しさを見出せなかった私は、昼食代にと貰っていたお金を極力使わず、放課後友人とゲームセンターに通って対戦を繰り返していました。文化祭の日まで一時抜け出して行っていたくらいですから、その夢中っぷりが知れることでしょう(私の通っていた高校は、放課後ゲームセンターに行くことを特に問題にしていませんでした)。

そんなある日教室で友人と今ハマッている格闘ゲームについて盛り上がっていると、同じクラスの女の子がそのゲームが好きなことがわかり、一気に意気投合したことがあります。仲良くなって何回か一緒にゲームセンターに行ったこともあります(友人を交えてですが)。その女の子と付き合うようなことはありませんでしたが、そんな今思えばゲーマーとしては幸せなことが、決して楽しいものではなかった私の学生時代の思い出として記憶しています。

 

私にそういった経験があったからこそ、ハイスコアガールの世界は幻想でありながらも地続きで現実とつながっているような、不思議な共感を抱いたのかもしれません。このマンガは決して万人受けしません。世代も、性別も、経験もがハルオたちの境遇と一致しないと、真の共感は得られないのではないかと思います。限りなくハルオに近いところにいたと実感する私にとって、このマンガはバイブルです。すなわち、「過去の肯定」です。黒歴史として葬り去ろうとしていた過去を、このマンガは、押切蓮介さんは肯定してくれた。そんな気持ちです。

 

やっぱり私は、ゲームが大好きです!

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