映画「鈴木先生」を観にいきました(※ネタバレしています)
- 作者: 映画「鈴木先生」製作委員会
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2012/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
1月12日、待ちに待った映画「鈴木先生」を公開初日に観にいきました。
会場は渋谷TOEI。小さい劇場ですが、初日の2回目にも関わらず空席の目立つ状況・・・これは、まさか視聴率2%以下を彷徨ったドラマ版の経緯を辿ることとなるのか!非常に心配です・・・。
ちなみにこの日の1回目は演者による舞台挨拶が行われていました。全力でチケット獲得に望みましたが、残念ながら全滅・・・。かといってオークションに出されている転売ヤーに金を払うのはイヤでしたので、諦めることとしました。本日1月12日は長谷川博己、土屋太鳳、河合監督らの、1月13日はバレー部員女生徒と小川ファン5人集メンバーで行われたようですね。本当に残念です・・・。
さて、映画そのものの感想ですが、素晴らしかったです。本当に、ここまで再現・昇華していただけて、原作・ドラマ両方のファンとして満足でした。
オープニングで分かるように、タイトルバックに"11"と銘打たれていることから、この映画はあくまでドラマと地続きになっていることが強調されています(ドラマ版は全10話でした)。
みな演技力は素晴らしく、中学生がメインとはいえ学芸会のようなレベルの低いものは全くありません。その中でも突出した演技力が際立っていたのが、勝野ユウジ役の”風間俊介”でした。前回、新宿で行われた鈴木先生のイベント”PTA会議”でも話題になっていましたが、風間俊介の存在感は圧倒的です。一歩間違えれば彼のような行動を起こしてしまいそうになる、そんな気にさせられる、不思議な共感性を持っていました。
この回では、”公園”がとても重要なファクターとして使われています。
つらい現実から逃避するために存在していた公園を、いつしか煙たい存在として追いやられていくユウジをみて、本当に悲しくなりました。ですが、自分が逆の立場であれば同じことをしていたようにも思います。
公共の場である”公園”からも見捨てられてしまったユウジを、誰が救ってあげられるのでしょうか?きっと、だれもが「紙一重」なのでしょう。誰の中にも「ユウジ」は存在している、そんな気がしてなりません。
この映画は、世界中にいる”ユウジ”のために、存在しています。
そんな素晴らしい映画であったのですが、2点ほど気になったことが。
ひとつは、母校を訪れた白井が、鈴木先生に悪口を叩くシーンで中村が出てこなかったことと。代わりに神田マリが現れて、痛いところをつくセリフが挟み込まれていますが、ここで中村が感情を爆発させながらフォローしてくれないと、私は気持ちが落ち着きませんでした。まぁこのフォローも、最後で神田マリ自身がしていたので、整合性は取れていましたが。
ふたつは、小川が校舎の屋上から屋上へジャンプし、鈴木先生が手を差し伸べるシーン。
「鈴木先生」の魅力は、現実離れしたところがないこと、ではないかと思います。どんなトラブルがあっても鈴木先生は現実に忠実に立ち向かっていくのですが、さすがにこのシーンは「無謀」すぎるのではないかと思います。実際、おそらく感動的なシーンであろう部分ではありましたが、劇場内では笑いも起こっていました。狙ったものだったのかもしれませんが、少し残念です。
総合的にみて、今作は素晴らしい出来です。
鈴木先生は”世界を変えるのは「教育」だけだ”と言っていますが、このマンガ・ドラマ・映画をみると、本当にそうかもしれないと感じさせてくれます。
いじめで自殺など、ろくでもない事件が多発している現状、鈴木先生はこの解決策のひとつにさえなり得る、と私は信じています。この映画が大ヒットするような世界になることを、私は祈ります。
- 作者: 武富健治
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2011/05/15
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログを見る