ロフトプラスワン「闘うベストテン 場外乱闘編」に参加してきました。
先日「鈴木先生PTA会議」に参加するため、ここ新宿ロフトプラスワンには初めて訪れました。
その際は開演ギリギリでも空席があったのですが、今回はもっといい席を確保しようと45分前に行ったにも関わらず、ステージ脇の少々見づらい席しか空いておらず・・・。人気あるんですねー、トヨサキさん達。
ちなみにここでは、イベントごとに関連した料理メニューが販売されるのですが、今回はこんな感じでした。
あんまりそそられなかったので注文はしませんでしたが、面白い試みですよね。ちなみに前回の「鈴木先生PTA会議」では、げりみそカレーやタンタン特製お好み焼きなどが販売されていました(鈴木先生を知らない方、すみません)。
さて、今回イベント出演者は、
豊崎由美(書評家)
石井千湖(書評家)
大森望(SF小説家)
香山ニ三郎(コラムニスト)
杉江松恋(ライター)
という、早々たる顔ぶれ。特に、トヨサキさんと大森さんの毒舌トークは一度生で聞いてみたかったので、非常に楽しみにしていました。
ちなみに今回の内容は、毎年恒例のイベント「闘うベストテン」を、本拠地「ミステリチャンネル」から飛び出し、さらにミステリーという縛りもなくして、2012に刊行された国内外のエンターテイメント小説の中から最も優れたものを10作選ぶというもの(ロフトプラスワン公式ページより引用)。
タイトルに違わず辛口トーク炸裂で終始ヒヤヒヤものでした。松江さんと香山さんがトヨサキさんにいじられる様を生で見れて大満足。これからもぜひ、ここロフトプラスワンでやって欲しいです!
まず前半の海外編ランキングは、難航の末以下となりました!
1・世界が終わるわけではなく ケイト・アトキンソン
2・ならずものがやってくる ジェニファー・イーガン
3・宙の地図 フェリックス・パルマ
4・青い脂 ウラジーミル・ソローキン
5・都市と都市 チャイナ・ミエヴィル
6・昔には帰れない R・A・ラファティ
7・天使のゲーム カルロス・ルイス・サフォン
8・失脚/巫女の死 フリードリヒ・デュレンマット
9・湿地 アーナルデュル・インドリダソン
10・LAヴァイス トマス・ピンチョン
私は翻訳物をあまり読まないので、このランキングが妥当なものなのか判断はつきませんが、石井さんが押していた「ならずものがやってくる」にはかなり惹かれました。ならずもの=時間という設定なんですね!あと、究極の変態小説「青い脂」にも惹かれました。フルシチョフとスターリンのボーイズラブものなんて、他では絶対読めないでしょうから(笑)。
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そして、観客にも候補作品の中から1番は何かアンケートをとった上での、国内編のランキングは以下となりました。
1・本にだって雄と雌があります 小田雅久仁
3・機龍警察 暗黒市場 月村了衛
4・しろいろの町の、その骨の体温の 村田沙耶香
5・双頭のバビロン 皆川博子
6・とうへんぼくで、ばかったれ 朝倉かすみ
7・赤刃 長浦京
9・或るろくでなしの死 平山夢明
10・百年法 山田宗樹
とにかく、百年法へのトヨサキさんの辛辣な否定っぷりが半端じゃなかったです。よっぽど面白くなかったのか…まぁいつものトヨサキ節といえばそうか。
私が興味をもったのは、なんといっても「本にだって雄と雌があります」ですね。雄雌の本を並べておくと、掛け合わせた子供(本)ができるなんて、本をこよなく愛するものとして、最高のできごとじゃないですか!近所の書店ではどこも取り扱っていなかったので、仕方なく取り寄せしました。小田雅久仁さんの名前をどこかで聞いたことがあるなと思ってたら、一部で話題になった電波小説「増大派に告ぐ」の著者なんですね。あまりの作風の違いに驚きました。あれはあれで、名作ですが。いや迷作かな。
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他では、「しろいろの町の、その骨の体温の」に惹かれました。これも石井さんが押していた本ですが、村田沙耶香作品の入門編となるものだそうです。こういった、理解されにくい面白い本の普及に励まれると、読まざるを得なくなりますね!小田さんの本の次に読もうと思います。
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ランク外にはなってしまいましたが、佐藤亜紀さんの「金の仔牛」について、トヨサキさんと石井さんが、ベストテンになぜはいっていないのかと憤慨しておいででした。私も佐藤亜紀さんの本が大好きで、特に「バルタザールの遍歴」には度肝を抜かれました。きっと金の仔牛も面白いんだろうなと思いつつ、まだ手を出していません…。読みたい本に対して時間が足りないのがつらいです。
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このイベントは、本好きにはたまらないものだったでしょう!トヨサキさん達も手応えを感じていらっしゃったようなので、次があることを祈りつつ、オススメの本を読んでいこうと思います。