代官山蔦屋 本谷有希子『自分を好きになる方法』刊行記念ミニトーク&サイン会に参加してきました。
代官山蔦屋で行われた、本谷有希子『自分を好きになる方法』刊行記念ミニトーク&サイン会に参加してきました。
つい先日下北沢B&Bで行われたトーク&サイン会では、名入れ本を自由に選択できたので、大江健三郎賞を受賞した『嵐のピクニック』にサインしてもらいましたが、今回きっちり新作にサインしてもらいました。
刊行に伴うトーク&サイン会行脚に2回参加したこともあり、トークの内容そのものはあまり違いのあるものではありませんでしたが、今回は新刊本の一部を朗読していただけたことが大きな違い。声が優しくて聞き入ってしまいました。
前回とかぶるところもありますが、メモしたトーク内容を書いてみますね。
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⚫基本的に次何を書くかというネタは用意せずに新作に挑む。
⚫生まれてから死ぬまでの、女性の一生を書いてみたかったという思いから、本作『自分を好きになる方法』の案が生まれた。
⚫何故こんな自己啓発書のようなタイトルになったかというと、もともと収録しているひとつの話の仮タイトルを『自分を好きになる方法』としていたが、その内本全体をあらわすタイトルに相応しいと感じてこれに決めた。ちなみに母親には「どうしたの!?」と心配されたらしい。さもありなん。
⚫主人公の名前をリンデという、国籍もよくわからない名前にしたのは、読んでいる人に具体的なモデルが浮かんでこないように、イメージがパッとつきにくい名前を選んだ。
⚫登場人物のカタリナやモモは、学生時代の友人などのモデルがいるが、主人公のリンデには上記のような理由からはっきりとしたモデルはいない。
⚫いろんな歳のリンデを書いたが、一番好きなのは壮年になってからのリンデ。歳を重ねるごとに人と打ち解け、コミュニケーション力のついていくところがいい。
⚫気合を入れると書けなくなってしまうタチ。なるべく「小説なんて書いてないよー。」というていで、寝そべりながら書き始めたりする。外出先で書いたりはできない。
⚫本谷さんにとって、文を書くのは日常と変わらない。洗濯物を干したり、料理をすることと大差ない。
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本谷さんの人となりが、なんとなくわかるトークでした。
続いて朗読タイム。
歯の治療中でやや滑舌がよくないとの申し出あり(笑)。一斉にお客さんが本を広げ出したのを見て本谷さんが、「なんだか授業みたい。こんな雰囲気で朗読したことないなぁ。」と笑う。確かに。
冗談めかして言った「ではテキストの8Pを開いて下さ〜い。」には会場も爆笑でした。
※ちなみに読まれたのは8Pと42Pです。
朗読後はお客さんからの質問タイム。ここも箇条書きで書いていきますねー。
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①本谷さんの自分の好きな点
・よく落ち込んだりするけれど、次の日には立ち直るところ。
・ついこないだまでは、自分のあらゆるところが好きだったが、今はあんまり好きではなかったりする。
②生まれ変わったら、女性と男性のどちらに生まれてみたいですか?
・自分の小説には性格の歪んだ女性が多くて、女は大変だとは思いますが、男性よりもしばられずに緩やかに生きていけるのも女性なので、やっぱり女性がいい。
③舞台『ぬるい毒』は演出されていますか?
・今作で始めて演出業を離れ、監督の吉田大八さん(ex.桐島、部活辞めるってよ。)に全てお任せしている。
④小説を書くときと、脚本を書くときの違い。
・小説はテニスで、脚本はスカッシュをイメージして書いている。
⑤本谷さんの小説には、スッと入ってくるものとそうでないものの2種類大きく分けてあると思うのですが、書き分けているのですか?
・自分の中でそういった分け方はしていない。
⑥創作活動の息抜きは何をしていますか?
・書けていないときの方が長いくらいで、はなから捨てるものとして小説を書き始めている。アイドリングやウォーミングアップのつもりで量産。それが結果的に気分転換になっている。
⑦作中にはエキセントリックな女性が多いが、本谷さんは誰に似ていますか?
・全作品のキャラクターに満遍なく自分が反映されている。
⑧タイトルはどのようにしてつける?
・当初は「何にも似ていなくて、珍しくて、覚えてもらいやすい」を付けていたが、最近は肩の力を抜いたときにふっと浮かぶものをつけることが多くなった。
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バラエティにとんだ質問が多かったですね。今回も楽しいイベントになりました。
演劇『ぬるい毒』の上演、楽しみにしています!
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