マイナビニュースに見る、”多数の登録ユーザーを抱えたメディアがキュレーションするエントリー”についての考察
(photo by 足成)
最近マイナビニュースを読むことが多くなってきました。
キュレーションがはやっていて、各所でまとめサイト的なものが増えてきていますね。NAVERまとめやtogetterなんかが有名ですが、ニュースサイトでもそういった特定の分野に強いタイプのものが多くなってきました。
※ちなみにキュレーションとはコトバンクによると・・・
IT用語としては、インターネット上の情報を収集しまとめること。または収集した情報を分類し、つなぎ合わせて新しい価値を持たせて共有することを言う。キュレーションを行う人はキュレーターと呼ばれる。キュレーターの語源は、博物館や図書館などの管理者や館長を意味する「Curator(キュレーター)」からきている。キュレーターが館内の展示物を整理して見やすくするのと同様に、インターネット上のあらゆる情報を、キュレーター独自の価値判断で整理するのがキュレーションであり、キュレーションされたものは、プログラムなどで自動的に収集する従来の検索サービスの検索結果と比べて、「不要なものが少ない」「センスが良い」などといった理由から人気が高まっている。
とありますね。いま流行りのコトバなので、覚えておいて損はないでしょう。
私が何を読んでいるかというと、ビジネス系は東洋経済オンラインや現代ビジネス、エンタメならサイゾーやナタリー、総合的にはハフィントン・ポスト、BLOGOSを愛読しています。そんな中でこのマイナビニュースは名前の通り、リクナビと双璧を成す2大転職サイトである「マイナビ」が運営しているニュースサイトです。普通に新聞に載っているようなニュースも記事として取り上げているのですが、面白いのは転職・就職サイトとして”224万人”の登録ユーザーを抱えていることですね。これはつまり、「仕事」というものに対する何らかの意識を持った人たちを対象とした統計データを取ることができる、ということを意味していると思います。
「キュレーションサイトはどのサイトも差別化できておらず、どれを見ても同じような記事が載っている」と思うことも、なくはないです。オリジナルの記事で差別化をはかる、と言うは易しですがなかなか出来ないものでしょう。
”統計データから分析する”というタイプの記事は統計対象がどういった人たちなのかが重要なポイントですが、このマイナビニュースの場合、「仕事」に対して良くも悪くも意識の高い人たちから、アンケートやQ&Aでデータを取ることができます。これは大きな強みですよね!グラフや表が出てくるとすぐに信じてしまう人って実はとても多いですが、いかに統計対象が計るに相応しいものであるかが重要である以上、こういった「対象のかたより」はより正確で面白いデータを取ることができるのではないでしょうか?
ちなみに、今回はこの記事に興味をそそられました。↓
・職場に憧れる先輩・上司が3人いると、男性新入社員の退職リスクは1/6に!
そんな説明をしておいて何ですが、これには
ジェイックは、7月16日~24日にかけて、主に2013年度4月入社の社員370名(153社)を対象に、全14項の「新入社員意識調査」を実施した。
とありますね(笑)。なんかいきなり申し訳ないですが、そんな独自データが取れるのはウリですね、という話がしたかったんだと思ってもらえれば。。。
さて、データに目を移すと、面白いことがわかります。
まず、”男”と”女”で結果が全く違う。
男性の場合、信頼のできる上司がひとりもいないと退職リスクが6.5倍も変わるという、驚きの数字に!しかし女性の場合は、『憧れる先輩・上司の存在と退職リスクはあまり関係がなく、退職理由で多いのは、「職場環境、勤務スタイルへの不安」だった』とのことです。へぇ、ここまで仕事感覚が違うものなんだ!
私自身がそうなのですが、「仕事はバリバリできるけど、自己中心的で人間的にクズな上司」よりも、「仕事はまぁソコソコだけど、人間的に温かみがあって相談にのってくれる上司」の方が、一緒に働きたいと思えます。これは経営者目線でみるとまた変わってくることだとは思いますが(会社としてみると、売上げを多く立ててくれる人のほうが重要でしょうし)。何度か転職を試みましたが、「尊敬できる上司」というものにはついぞ出会えていません。尊敬までいかなくても、一緒に働きたい!と思える上司や同僚がいれば、働きがいも少しは見出せるのかもしれませんね。もちろん穿った目でみている自分にも原因はあるのでしょうが。
女性が、頼れる先輩や上司の存在よりも「職場環境」が重要であるという結果になったのは、男から見ると不思議な気もします。というか、職場環境ってすごく曖昧な表現ですよね。頼れる上司がいないことも職場環境の悪さに繋がるような・・・。こういうアンケート形式の統計には、「質問の仕方」がどういうものなのか明らかにしてほしいと思いますね。恣意的なデータを取ろうと思えば、いくらでも取れますし。
統計にツッコミをいれながら、こういったデータを分析するのも楽しいですよ~。
最後に、統計を学ぶのに適した本を紹介して今日は〆にします。読んでいただき、ありがとうございました!
- 作者: 西内啓
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/01/25
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