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堀江貴文 「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」 私たちはなんのために働いているのか?そして、堀江さんがモンスターではなく、ただの「人間」であったことについて

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私たちは、堀江貴文という人物について、大きく誤解をしていたのかもしれない。

彼は、マスコミや既得権益をふりかざす連中が揶揄するような、「金の亡者」では決してない。先日発売された堀江貴文の書き下ろし新著「ゼロ」を読んで、ますますそういう思いを強くした。

そういえば、私はもともと「ホリエモン」のことが嫌いではなかった。近鉄バッファローズの一件や選挙に出馬したときも、まわりの人々が「けしからん!」と言っている最中、ひとり「もっとやれ!」と心の中でヤジを飛ばしてさえいたし、ちょうど堀江さんと10歳下の私にとって、彼は新しい生き方・働き方を体現してくれる英雄のように感じていた。

マスコミは例のごとく面白がって、彼を金の亡者とばかり叩きに叩いていたし、テレビや新聞の言っていることが世の中の全てだと思っている情報弱者がこぞって彼を批判していたが、結局のところ、堀江さんの行動力を羨んでいたのかもしれない。
「自分のやりたいけどできないこと(できないと思い込んでいること)をやってのける堀江さんが妬ましい。」
そんな相反する思いを抱くほど、日本にとって堀江さんはセンセーショナルな存在だったのだろう。

文中で、堀江さんが目の敵にされる主たる要因について、ジャーナリストの田原総一朗さんが納得の一言を述べているのでそれを引用してみる。

「堀江さん、僕はあなたが2年半近くも社会から隔絶されることは、日本という国にとって大きな損失だと思っている。あなたはこの国を牛耳る年寄りたちから嫌われ、怖れられ、ついには逮捕され、実刑判決まで食らってしまった。なぜか? それは堀江さん、あなたがネクタイを締めなかったからだ。この国ではネクタイが全てなんだ。ちゃんとネクタイを締めて、年寄りにゴマをすっていれば、球団買収だって成功しただろうし、フジテレビや選挙もうまくいったかもしれない。わかっているよね?」

この「ネクタイ」は、比喩でもいけるしそのままの意味でも通る、最適な言葉だと思う。対する堀江さんの答えはここには記さないが、裸の王様に「あなたは裸です。」と言えるかどうかがポイントになってくる。意に反することには断固拒否するし、おかしな慣習には従う必要がないというのは確かにそうだが、この日本という国でそうすると、上記の堀江さんのようになってしまうということだ。なんと嘆かわしいことだろう。

そんなこともあり、何かと誤解を招きやすく、その誤解を解くのに言葉ではなく「ファクト」を突き出したことでさらに誤解が酷くなったことから、今回の自伝のような形でこの「ゼロ」は出版された。実際、ライブドアの前身”有限会社オン・ザ・エッヂ”の設立から収監に至るまでについては様々なかたちで述べられてきたが、生まれから起業するまで、特に家族のことについては大っぴらにはされていなかった。まぁ、プライベートも切り売りしないとならない芸能人ではあるまいし、堀江さんがそんなプライベートを公開する必要なんてないのだが、上記の通り何かと誤解されやすい面を解消しておくべく、「堀江貴文がどういった人間なのか」がこれでもかという程に書かれている。

読んで、堀江さんが嗚咽するほどに号泣している幾つかのシーンで、私も泣いた。

分かったのは、堀江さんは突然変異で生まれたモンスターなんかではなく、どこにでもいる普通の人間だったということ。寂しがりやで、人を信じる(信じたい)気持ちを人一倍持っている、ただの人間。

この自伝を書くに至って、きっと思い出したくなかったんだろうなという内容も多い。

堀江さんは「今を生きる」ひと。過去にも未来にも生きてはいない。とはいえ、書いていくにあたって思い出さなければならないこともあっただろう。そうまでしても、堀江さんは「人にわかってもらう」努力(そうは言われたくないだろうけど)をした。

本を読んで、きっと読者は堀江さんを好きになるだろう。
ただの人間として、彼はとても魅力的だ。

※書店店頭で、サイン入りのゼロを買うことができた。なんだか嬉しい。
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