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http://hentenna.hatenablog.com/entry/2014/03/09/121004

『消える』メールに『消える』写真。 次世代コミュニケーションツールは『消える』が主流に!?

 

 

毎号楽しみにしている唯一の雑誌・クーリエ ジャポン

世界の1,500を超えるメディアの中から記事を選び、翻訳・編集して掲載しているのですが、捨て記事がほとんどない読み応えのある雑誌で、情報を取り入れるのに重宝しています。

 

2/25発売号の中で、小さなコラムですが興味深いものがありましたのでご紹介します。

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『消える』アプリがブレイク!

 コミュニケーションツールとしてのアプリケーションには様々なコンセプトのものがありますが、その中でも昨今は『消える』アプリが人気で、次々に新しいものが登場しています。

 

その先駆けともいえるのが「Snapchat」wikiによると、

Snapchatとはフォトメッセージアプリケーションで、写真や動画の撮影、テキストや絵の追加、受信者が設定したリストへの送信ができる。そして受信者が写真を閲覧できる時間を最長10秒まで設定でき、その後は受信者の端末からも企業のサーバーからも完全に削除される。

と記載されていますね。

 

アプリそのものについてはこちら↓

Snapchat

https://itunes.apple.com/jp/app/snapchat/id447188370?mt=8

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おもしろいのは、送られてきた写真や動画を閲覧している間、受信者は端末のタッチスクリーンを触り続けなければならないこと。指を離すと消えてしまいます。

 

またスクリーンショットの保存も不可能で、端末の機能で無理に撮ろうとすると送信者に通知されてしまいます。さらに閲覧後は、写真や動画・メッセージなどの種類に関係なく、双方の端末からも企業のサーバーからも削除されてしまうのが特徴です。

 

友達同士でふざけて撮った写真がツイッターなどのSNSを介して広まってしまい、あっというまに炎上してしまう事件が日本ではたびたび起こっていますよね。ツイッターで友達同士でしかコンタクトしない使い方を普段からしていると、閉ざされた世界だと勘違いしてしまうことからこのようなトラブルが多発すると考えられています。かといってLINEでやりとりしていたとしても、悪意のあるユーザーが写真や動画を転送することで拡散されてしまうことはあり得ます。

 

このSnapchatでは画像や動画などを端末機能で保存することができないため、拡散するに相応しくないものを軽々しく送ってしまったとしても、それが悪意の第三者にまで伝わることは考えにくいでしょう。何でもかんでもログが取れて、どこまででも遡って証拠を見つけ出せるシステムが準拠となってしまっている現代、一切ログが残らないコミュニケーションツールは、気の置けない友人とやりとりするのに最も適したものとなっていくかもしれません。

 

※参考記事(英語)

You Know What’s Cool? A Billion Snapchats: App Sees Over 20 Million Photos Shared Per Day, Releases On Android | TechCrunch

Snapchat: The Biggest No-Revenue Mobile App Since Instagram - Forbes

 

さて、そんなSnapchatに対抗してか、2014年1月に『Confide』というアプリがリリースされました。

 

Confide: Your off-the-record messenger

https://itunes.apple.com/jp/app/confide-your-off-record-messenger/id779883419?mt=8

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Snapchatと何が違うのかというと、Snapchatは画像に動画・メッセージと多種多様なコンテンツを扱っているのに対し、Confideはメッセージのみに特化した仕様になっているところ。

 

送られてきたメールは単語ごとにマスクが掛かっており、指で触れるとその部分のマスクが取れる。指を離すとまたマスクが掛かるという具合になっています。めんどうな仕様のように思えますが、指を滑らせればスムーズに読むことができます。

 

この仕様が何をブロックしているかというと、端末機能によるスクリーンショットを撮ることに対してでしょう。マスクが掛かっていることによりロクに読めないスクリーンショットしか撮れないばかりか、端末機能でのスクリーンショットを撮ろうとすると双方に警告が出るだけでなく、受信したメッセージは自動的に消去されてしまいます。徹底していますね!

 

こちらのアプリは、Snapchatよりもビジネス向けにつくられているようです。Confideを立ち上げたDaniel Sutera氏は、 インターネット上のコミュニケーションツールにはメールのように記録を残すものと、記録を残さないものの2種類があるべきだと主張されています。Confideは明らかに後者を意識してつくられていますね。

 

※参考記事

読んだら消えるビジネスマン向け“オフレコ”メッセージングアプリ「Confide」が登場 - ITmedia ニュース

「このメッセージは自動で消滅する」記録を残さないビジネス向け連絡ツール「Confide」登場 - インターネットコム

 

 

……おや!? mixiのようすが……!

そんなクーリエ ジャポンの記事を読みながらふとネットニュースを見ていると、こんな記事がありました。

mixiが写メッセージアプリ「muuk」、閲覧は3秒だけ、友達関係も30日で消去 -INTERNET Watch

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迷走を続けるmixiミクシィ)から、「muuk」という新しいコミュニケーションアプリがリリースされたとのこと。しかも『消える』仕様だという。いったいどんなアプリなのか?

 

ありえない!瞬間自撮りメッセージ muuk(ムーク)~友だちやグループで表情と写真を共有するメッセンジャー

https://itunes.apple.com/jp/app/arienai!-shun-jian-zi-cuorimesseji/id792648777?mt=8

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タイトル通り、自撮りした写真とともにメッセージを送ってコミュニケーションを行なうアプリですが、それだけなら他のアプリでも可能。

 

muuk(ムーク)では、送った写真とメッセージは既読になるとすぐに消えてしまい、データは一切残らない。メッセージ自体は既読であっても、12時間以内に開かれないと自然に消えてしまう上に、30日間メッセージ等のやりとりがない相手のアカウントも消えてしまう。徹底的に近しい繋がりのみを残す仕様になっています。友だちの友だちは、友だちであるという考え方のFacebookと真逆を行く発想ですね。

 

ビジネスであれば、過去のメールに重要な事項が残されていることがあるため履歴を残しておくのは重要だと思いますが、親しい友人同士との何気ない会話にログはいらないでしょう。

 

ツイッターだと炎上してしまうような軽いおふざけ写真や変顔、生々しいメッセージなども、親しい友人間では笑いとなる。そんな一瞬だけ必要なコミュニケーションに、ログは不要。その一瞬を共有できればいいんです。

 

とはいえ、かなりニッチな需要だと思えるこの「muuk(ムーク)」というアプリ。ログを残さず消えるという仕組みは面白いと思いますが、結局のところLINEで済ましてしまう人が大半なのではと危惧してしまいます。あえてこのアプリを使用してまで、という関係性の友人がいない私にとっては、無用の長物となってしまいそうです。

 

muuk(ムーク)をつくった理由や意図については、下記のインタビュー記事が詳しいので、ご興味のある方は読んでみてください。その他にも参考記事をピックアップしておきます。

 

 対面の“リアルな会話”を写真アプリで再現するミクシィの「muuk(ムーク)」、川崎裕一さん率いるチームにインタビュー【前編】

http://thebridge.jp/2014/03/mixi-muuk-part-1

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※参考記事

ミクシィ、閲覧後に写真が消えるiOS/Android向けの瞬間自撮りメッセージアプリ「muuk」 (ITmedia Mobile) - Yahoo!ニュース

ミクシィ、写真を残さない新しいタイプのコミュニケーションアプリ「muuk」 (マイナビニュース) - Yahoo!ニュース

ミクシィが仕掛ける、新感覚メッセンジャーアプリ「muuk」 - ケータイ Watch

「あればいい、な機能はいらない」:3原則を徹底することで生まれたミクシィの「muuk(ムーク)」【後編】 - THE BRIDGE

 

コミュニケーションツールの今後は

様々なコミュニケーションツールが生まれてきていますが、『消える』仕組みのアプリは“主流にはなれないツール”なのではないかと思います。

 

結局はみな、メールやコミュニケーションツールにはログを必要とするんじゃないでしょうか。証拠探しといったネガティブなものだけでなく、単純にスケジュール確認のために過去メールを探ったりしますし。ログを必要とするメインのコミュニケーションツールに付随した、サブツールとしての「消える」コミュニケーションツールと考えれば、この先もっと発展していくかもしれません。

 

「どちらが優れているか」ではなく、住み分けながら共に発展していければいいですね。今後コミュニケーションツールがどのように進化を遂げていくのか、とても楽しみです。

 

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