下北沢B&Bで行われた、文芸ブルータス創刊記念 「文芸とブルータス」に行ってきました。(2/2)
さて、続きです。
語り手は4人ですが、西田善太(『BRUTUS』編集長)さんの喋りが圧倒的で、ほかの方々が霞んでしまうくらいのマシンガントークでした*1。
文芸ブルータスができたいきさつや、雑誌それぞれの特色等を話し合いながら、そこで出た言葉にいくつか感銘を受けたので、書き出してみます。
●ジャンルに固執すると、新しいものは産み出せない。(西村博一)
●本は、「今」読まないといけない。年を取ってから読もう、とか、お金もないし文庫になってから、なんて思わないこと。(西田善太)
●虚構(フィクション)の作品は、現実(ノンフィクション)に大きく影響を受ける。(矢野優)
●小説は不思議、人が多く死ぬような話を読んでも、活力を得られることもある。(西村博一)
●読んだ人の人生を変える!それが編集者としての一番の喜び。(矢野優)
●ドカッと10万部売れるよりも、初版3千部の本が、宣伝や営業努力で時間をかけて数万部売れること、これがとてもうれしい。(矢野優、西田善太)
●読書は「趣味」であり、「娯楽」である。人はそれが「面白い」から読むのである。今は、本のほかにもたくさんの娯楽があふれている。本が読まれなくなっているのは必然では。(西田善太)
●批評とはとても根性のいること。(西田善太)
●編集とは、漁師が寿司屋をやっているようなもの。(矢野優)
●言葉によって人を救いたい!というのはおこがましいこと。言葉は、話し手がどういうかではなく、受け手がどう捉えるかがすべて。(西田善太)
●(新潮に、yomuyomuやen taxiが季刊誌などで刊行しているのに対し、何故月刊誌として続けているのかという質問に対して)過剰なところから文化が生まれると考えているから。(矢野優)
・・・いやぁ、本当に珠玉の言葉たちだと思います。私はこういった対談で、語られる言葉をフレーズ単位で切り取って解釈してしまう傾向があるので、きっちり文脈からまとめられるブロガーさんたちを尊敬します。「文章」で語れるようになりたいものです。
これらの言葉で私が一番感銘を受けたのは、西田善太さんの「本は、「今」読まないといけない。」です。なんでもそうですが、やりたいと思う時がやりどきなんですよね。後回しにすることは、何にも良いことがないんです。実際、後で読もうと置いた本は、数年たっても読むことはないですね、私の場合。
本当に素晴らしい対談でした。最後に各々がもっとも影響を受けた本をご紹介されていたので、ここでも紹します。私は「今、読みたい!」と思いましたので、順次買っています(^ム^)、最初はイリュージョンからかな。
●西田善太(『BRUTUS』編集長)
「イリュージョン」
- 作者: リチャード・バック,佐宗鈴夫
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/05/20
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「建築を考える」
- 作者: ペーター・ツムトア,鈴木仁子
- 出版社/メーカー: みすず書房
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●矢野優(『新潮』編集長)
「構造と力」
- 作者: 浅田彰
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●西村博一(『yom yom』編集長)
「グレート・ギャッツビー」
- 作者: F.スコットフィッツジェラルド,F.Scott Fitzgerald,小川高義
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「オリーブ」
- 作者: マガジンハウス
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
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