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PS3『ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトル』発売記念  格闘ゲームにおける”バランス設定”についての考察

 


2013年8月29日、全国のジョジョファンが待ちに待ったプレイステーション3用ゲームソフトジョジョの奇妙な冒険オールスターバトル』がついに発売されました!16,000円もする超豪華限定版も同時発売され、予約が始まると同時にあっという間に売り切れてしまったことから人気のほどが伺えますね。私ももちろん発売日に限定版を購入しましたよ!

ジョジョの奇妙な冒険」について説明は不要、および野望だと思いますので、とりあえずWikipediaの内容紹介とリンクを貼っておくにとどめます。

 

http://ja.wikipedia.org/wiki/ジョジョの奇妙な冒険 作品解説
集英社の少年向け漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』に1986年から2004年まで、集英社の青年向け漫画雑誌『ウルトラジャンプ』に2005年からと長期にわたって連載されている。シリーズの単行本は100巻を越え、累計発行部数は2013年2月時点で6891万部[1]。2006年の文化庁による文化庁メディア芸術祭10周年記念アンケート企画、「日本のメディア芸術100選」にてマンガ部門で2位に選ばれた[2]。
作品全体のテーマは「人間讃歌」。仲間たちとの絆・強敵との死闘など少年漫画の基本を押さえながらも、個性的な表現方法・独特の不気味さなどで世界観を築き上げており、その作風は「王道を行きながら実験的」と評されている[3][4]。

 


「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」第6弾PV - YouTube


これだけ人気がでると、当然ながらメディアミックスが行なわれて他方向にアクションしていくものですが、ことテレビゲームにおいてのジョジョはクソゲーが有名。1998年にアーケードで稼働を開始した格闘ゲームの雄・カプコン制作による格闘ゲームが出るまで、ジョジョゲーはロクなものがなかったんです。ちなみにこのクソゲー化現象は、主に原作があるものをゲーム化した際に起こりやすいと言われています。特に週刊少年ジャンプの漫画原作ゲームは酷いものが多いですね。北斗の拳」「聖闘士星矢」「ドラゴンボール」・・・枚挙に暇がないです。ただこれもプレイステーション3が標準化したくらいの時代になると、そういったものをつくるメーカーも淘汰されてなくなってきましたね。逆に「神ゲー」と呼ばれるような作品も出てくるほどです。

今作ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトル」を制作した会社・サイバーコネクトツーもその優良ディベロッパーのひとつです。ジャンプで大人気の漫画NARUTO-ナルト-をゲーム化した、NARUTO -ナルト-ナルティメットストームシリーズのデキは半端なく、世界中で売れに売れています。私はこの漫画を全然知りませんが、ゲームはめちゃ面白かったです。

さて、話を戻してジョジョについてですが、バリバリのアクション漫画であることから今回のゲーム化は『格闘ゲーム』というジャンルになるのは当初からわかっていました。プロモーションムービーも多く公開され、原作再現度は完璧であるとユーザーに伝わった上で発売となったわけですが・・・巷ではこんな評価がなされています。

 

炎上なう。「ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトル」は実際どうなのか検証してみた
http://www.excite.co.jp/News/reviewapp/20130903/E1378148770466.html

ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』の限定BOXが大量にヤフオクに転売されるも定価割れ
http://getnews.jp/archives/412729

ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトルがどのくらい「クソ」なのかを咲で例えてみる
http://ganaken825.blog.fc2.com/blog-entry-141.html


まぁ、人気がでればでるほどアンチも増えてくるので、ブログで酷評がなされたりAmazonレビューがえらいことになったりすることは、さほど珍しいことではありません。人気の裏返しでもありますし。上で紹介した定価割れの件は、転売ヤーがバカをみているだけなのでどうでもいいことです。勝手に滅んでろって感じですね。

レビューにもあるように、ジョジョの劇画的タッチのイラストは完璧に再現されています。確かに原作再現度は完璧なんですが、ゲームとしては難があることを否定しません。それは上記紹介記事にも載っていますが、主に2点あげられると思います。

①無限コンボがあること。
②ソーシャルゲームの要素を無理やりねじ込んでいる。


特に①は格闘ゲームとしてあるまじきことなので、早急に改善が必要ですね(アップデートで対応させるといいのですが)。個人的に②の仕様には憤慨しています。売れるのが分かっているゲームで、あざとい課金主義に走るのはどうかと思います。まぁ、これはディベロッパーではなく、販売元のバンダイナムコゲームズに原因があることと思いますが(この会社の課金・追加ダウンロードコンテンツ主義は酷いです)。

格闘ゲームであることから、当然ながらゲームのメインになるのはアクション部分。そして対人戦がいかに盛り上がるかが問題になってきますが、昨今の家庭用格闘ゲームは大概オンライン対戦ができる仕様になっています。本ゲームももちろん対戦可能なのですが、そこで問題点としてネット界隈で酷評されているのが『ゲームバランスの悪さ』です。具体的には、キャラクター間の強さに差がありすぎるということなんですね。

このゲームに限らず、ゲームのバランス設定って、ほんとうに難しいと思います。初心者でも満足できるようにすると「簡単すぎる!」とコアユーザーから文句がでるし、高難度に設定すると初心者は手を出せなくなってしまう。ちょうどいい塩梅なんて、本当はないんじゃないかと思ってしまいます。

ここで本題、格闘ゲームにおけるキャラクター間強さのバランスについて考えてみたいと思います

もちろん一概いえることではないですが、私は”バランスのいいゲーム=良作”というわけではないと考えています。そもそも、格闘ゲームで登場キャラクターが全員同じ強さってどうなんでしょう?

格闘ゲームの代表格といえばカプコンストリートファイターⅡ」ですが、登場人物は、格闘家・軍人・プロレスラー・警察・力士・ボクサーなどいろんなタイプのキャラクターがいます。この当時はまだ格闘に向いたキャラクター設定が多かったのですが、次第に女性キャラクターが増え、職業もアイドルだったりなんちゃって格闘家だったりと幅広くなっていきます(カプコンのライバルだった、SNKにそういったゲームが多かった)。

別にゲームなんだからどうでもいいと思わなくもありませんが、普通に考えて女性アイドルがプロレスラーに格闘技で勝てる道理はありませんよね。それが覆るからゲームはおもしろいというのはもちろんありますが、キャラクターの強さ設定として、そうした差を出しておいたほうがリアリティもありますし、勝てたときのカタルシスも大きいと思うんです。

今回のジョジョは原作を読んでいればわかると思いますが、明らかに強いキャラクターと、作中であっけなくやられてしまったようなキャラクターなど、いろんなキャラクターが登場します。先ほどのストリートファイター Ⅱはオリジナルのゲームで、ジョジョは原作ありきのゲームなので諸条件は違うものの、こういった強さの差をゲーム内に反映することを私は良い試みだと捉えています。

例えば、ジョジョの登場人物・空条承太郎ディオは、原作中で明らかに強いキャラクターとして登場しています。主人公とボスですから当然なのですが。そして今作『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』でもその強さは歴然。ソフトと同時に発売されたVジャンプ公式攻略本にディベロッパー・サイバーコネクトツー松山洋社長がインタビューに答えているのですが、そこでこう述べられています。

 

〈前略〉
このゲームは普通の格闘ゲームではなく、『ジョジョ』のゲームです。原作のファンの方ならディオや承太郎は”絶対強いだろう”と思いますよね?仮にも原作の名を冠したゲームが、原作のイメージを壊すものであってはならない。だから、『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』では、ほかの格闘ゲームとは違ってキャラクターの強さを平均化しません。ディオは強いし、承太郎も強い。ただし、少しテクニカルだとか、うまいタイミングでつながないと”あの技”が出せない、といった部分でゲームバランスをとっています。


そう!そうなんです!
私が格闘ゲームに求めているのは、そういうものなんです!


ちょっと熱くなってしまいましたが、私はゲームバランスってそういうものじゃないかと思うんです。特に原作があるゲームはそうしないと、イメージを壊してしまいかねない。もちろん原作と違うifを体験するのがおもしろいのは確かですが、それには苦労が伴うのがあってこそだと思うんですよね!原作であんなに強かったボスがこんなにアッサリ・・・っていうガッカリ感を味わいたくない。過剰なまでにバランスの良さを求めてしまうと、とてものっぺりしたものになってしまうのではないでしょうか。

・・・ちなみに、これがアーケードゲームとなるとまた話は変わってきます。対戦型格闘ゲームの主流はいまだゲームセンターですが、ここではインカムの問題があります。1プレイで100円というクレジット収益のことですね。アーケードゲームではこのインカムを何回転させられるかが営業上重要になってきます。ゲームバランスが悪いと、強いキャラばかりが使われる。そして、往々にしてそういったゲームは飽きられていきます。そうなると、購入した基盤がペイできないため早々に撤去されてしまうことになりますね。そういった問題があるため、アーケードゲームは過剰にゲームバランスを求められているところが見られます。

家庭用ゲームとアーケードゲーム、オリジナルゲームと原作ありゲーム、それぞれで条件は違いますし役割も異なります。最初にお断りしたように一概には言えませんが、過剰なゲームバランス重視はユーザー離れにつながると私は主張します。いちゲーマーの小さな主張ですが、きっと同感してくれる方がいると信じています。

 

 

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