ターゲット層以外を排除する過激なブランドイメージ戦略は、善か悪か。-アバクロンビー&フィッチのサービスポリシーについて-
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デブはお断りのアバクロ、売り上げ激減 ポリシー変更でXL以上も生産
なんともインパクトのあるメッセージを発信しているんですね、アバクロンビー&フィッチのCEOマイク・ジェフリーズ氏は。自社のブランドイメージを崩したくない思いが強いのか、「太った客には着てほしくない」と断言されています。ターゲットが明確で、それ以外の人は眼中にないようです。
反発が大きく株価は低下し、結局女性のもののXLサイズを発売することに至ったとこの記事では報道していますが、私はこうした考え方はアパレル界であってもいいんじゃないかなと思います。売上が大きく落ち込むことなく順調であればきっと「デブ排除」の姿勢は変わらなかったでしょう。発信しているメッセージが強烈すぎて反発をくらっただけで、ブランドイメージを守るためにはこういった戦法もありかと。
多かれ少なかれ、飲食店や家電等でもこういった裾野を広げる方向に動く傾向はあります。最初は醤油ラーメン一本でやっていたラーメン屋が、お客さんの要望を取り入れてか低迷する売上に四苦八苦したのか、塩ラーメンを取り扱うようになり味噌ラーメンも売り出すことになって、おかずがいるとのことで焼き飯や餃子も販売しだして、その内パスタやオムライスもつくるようになって、結局ファミレスの出来損ないのようになり客が離れていき潰れていく・・・そんな光景を、飲食店で店長をやっていた経験のある私はつぶさにみつめていたことがありました。
会社である以上、売上は上げ続けないとならないでしょう。ですが、お客さんに媚を売るような行為は、結果的にブランドイメージを下げるだけではないかとも考えられます。
お客さんは大事ですが、「店側がお客さんを選ぶ」ことがあってもいいと思います。お金を払えばお客さんではありますが、お客さんの要望を全て受け入れていたら会社は成り立ちません。一度下げたブランドイメージを取り戻すには、どれだけの時間がかかることか・・・。
アバクロが大衆的服屋(ユニクロやGAP等)を目指しているのならこれでいい。ですが、アバクロはおそらく本心ではそうじゃない。アバクロなりの美を追求するブランドイメージを崩してまで販売する必要はなかったのではと邪推してしまいます。
まぁ、私はアバクロの服は1着も持っていないんですがね・・・。