「食える」ライター登竜門 参加レポ! 固定概念を切り捨てて、食えるライターになるための秘訣とは?
「食える」ライター登竜門 参加レポート!
五反田駅から徒歩5分ほどの場所に、新しいコワーキングスペースができました。名前は「CONTENTZ(コンテンツ)」。オープンは7月1日ですが、先日6月20日にプレオープンイベントが開催され、さっそく参加してきましたのでレポートをアップさせていただきます。
まず、イベントの基本情報はコチラ↓
五反田のコワーキングスペース・CONTENTZ
さて、イベントレポートに移る前に、今回のイベント開催場所であるコワーキングスペース・CONTENTZについてご紹介しておきましょう。
東京都品川区西五反田1-13-7
五反田駅からだいたい5分くらいの場所にあるのですが、大通りの喧噪を離れたところにあるので、最初はちょっと迷うかもしれません。地図を見ながら行くことをオススメします。
入り口から撮った風景がコチラ。イベントがあるので椅子がズラッと並んでいますが、普段コワーキングスペースとして使う際は、真ん中に長いテーブルが置かれるそうです。開放的なコワーキングスペースになりそうですね。
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Q&A形式のトークイベントスタート!
それではイベントレポート始めます。基本的にQ&A形式でイベントは行なわれましたので、提示されるクエスチョンを元に、スピーカーふたりのアンサー、そして私のオピニオンの順に進めていきます。
まずはスピーカーふたりの紹介から。
上阪 徹
上阪さんは95年よりフリーライターとして活動。上記の「書いて生きていく プロ文章論」が代表作として有名ですが、上阪さんが「自分のこと」について書いたのはこの本が初めだそう。そもそもライターが自分のことについて書くこと自体、あまりないんですね。肩書きとしてはライターとブックライターを使い分けているとのことですが、そもそも肩書きなんていらないと考えており、肩書きの入っていない名刺も使っているそうです。紙では幻冬舎のゲーテに創刊から連載。ウェブではビジネスメディア誠や日経ビジネスオンラインにも記事を掲載されています。
上阪さんと宮脇さんが出会ったのはフリーペーパーのR25に携わっていたときでしたが、当時あったふたつの編集チームにそれぞれ参加していたためか、会うことはほとんどなかったそうです。最後の方でちょこっと会ったくらい。
宮脇 淳
今回のイベント場所であるコワーキングスペース「CONTENTZ」の運営会社が有限会社ノオトで、その代表が宮脇さん。会社の仕組みは編集プロダクションですが、ブラックなイメージが強いこの名前を避けて「コンテンツメーカー」と呼んでいるそうです。企業との仕事が多く、アディダスのFacebook更新をやっていたり、オウンドメディアなどの運営にも携わっているとのこと。紙・ネットにこだわっていない。自社メディアとして品川経済新聞、トゥギャッチ、パクツイ警察24時なども運営しています。
コンテンツメーカーとしてのノオトがなぜコワーキングスペースをつくったのかというと、そもそも事業としてライターやカメラマン、デザイナーなどと関わることが多い中、実際にそういった方々が集まれるリアルな場所をあればという思いがあったからとのことです。
それでは宮脇さんが上阪さんに質問する形でトークスタート!
Q1・どうしてライターになったのか?
A・元々広告やコピーライターの仕事をしていたが、会社が潰れて仕事がなくなりフリーにならざるをえなかった。なので、なりたくてフリーライターになったわけではなく、仕方なしにフリーになった。会社で期待されてフリーになると100からスタートしてしまうのが非常に怖い。維持できなければ落ちるしかなくなる。そういった意味で低い位置からフリーライターのスタートを切れたのがよかった。(上阪)
O・私の周りにいるフリーライター・編集者も、実は似たようなことを言っていました。なろうなろうと思ってフリーになった人よりも、会社が潰れてしまったり会社員としての適正がなかったりして、結果フリーにならざるをえなかった人が多いんです。かくいう私もそうなんですが・・・。今までの会社から何も期待されていない私としては、ほぼ0からのスタートです。何のフォローもないかもしれませんが、逆に言えば失うこともないわけで。おかげさまで好きなように仕事をやれています(まだ結果は出せていませんが)。期待されるということは、余計なまでのプレッシャーを与えられるということでもあります。それで踏ん張れる人もいれば、潰れてしまう人もいる。どちらがいいというわけではなく、自分に合った飛び方を知ることは大事ですね。
Q2・「書くのが好き」「書くのが得意」の違い
A・実は僕は、本を読むのも嫌いだし書くのも嫌い。元々はライターではなくコピーライターだったが、そもそもこのふたつは似て非なる仕事で、キャッチコピーは文章を書くことではない。だからこそコピーライターをやってみようと思った。前提にあるのは「仕事が好き」であるということ。誰かに求められて、それに応えるのが好きでやっているだけ。文章というのはゼロから書くのではなく、言葉の組み合わせである。だから情報や文字、言葉の編集をしているような感覚で書いている。「文章」そのものにこだわりはない。仕事に流儀があるとすれば、それは「納期」を守ること。原稿の出来と納期の遵守、ともに100点満点だとして、原稿の出来で100点を取るのは非常に難しい。しかし。納期を守るのはそれに比べて簡単だ。(上阪)
A・(宮脇さん、上阪さんともに宣伝会議の講師を担当していたことを挙げて)宣伝会議の講師をやっていたときに受講生に聞いてみたところ、やはり「書くのが好き」な人は非常に多かった。僕は書くのは嫌いだけど、得意だとは思っている。意外なことに、プロの書き手には書くのが嫌いな人が多い。僕は好きで仕事を選ぶのではなく、得意なことで仕事を選んだクチです。(宮脇)
O・これには驚きました!おふたりとも「書くこと」が嫌いだっただなんて(笑)でも確かにプロの書き手には書くことが嫌いと断言している人はいますね。私が尊敬するジャーナリストの津田大介さんもそんなことを言ってらっしゃいました。今回のイベントで何度も出た話ですが、「書くことが好き」な人は得てして「好きなことを書きたい」だけだったりします。好きなことを好きなように書きたいなら、ライターではなく作家を目指すべきだと上阪さんは言っておられましたが、これは痛いところを突かれた思いです。私は文章を書くのが好きですが、オピニオンを書きたいという強い思いがあります。ひょっとすると私が目指すべきは、ライターではなく作家なのか。考えさせられました。
Q3・ライター仕事で一番楽しいことは?
A・インタビュー・取材をするのが楽しい。つまりは、人に会うのが楽しい。(上阪)
A・同感です。僕はヤフトピに記事が載ると嬉しいですね。(宮脇)
O・おふたりの話に共通していたのは、「人に会えるのが楽しい」ということ。これには私も納得です。ライターという肩書きの便利なところは、人に会うための理由になることじゃないでしょうか。実際に会ってもらえるかは別として、会うための口実に使えるからですね。取材は最たるもので、人のエピソードやヒストリーを聞くことができます。これは本当に刺激的です!書くことよりも聞くことの方が楽しくなってきたりしますから。
あとは、読まれていることがわかるとモチベーションが上がるということ。そもそもウェブと紙では、読まれていることを知る指標が違ってきます。本だと販売した冊数、ウェブだとPV数といったところでしょうか。 書くことを仕事にしているわけですから、何の媒体に書いていようと、当然読まれたいですよね。
Q4・ライター仕事で一番辛かったことは?
A・納期を守ると決めた以上、決しての納期を破ることはできないので仕事を受け過ぎたときに苦労したことはある。以前勤めていたリクルートでも過酷な労働状況ではあったが、フリーになってからはその5倍以上。体を慣らすしかなかった。でも徹夜は絶対しないと決めている。土日もちゃんと休みます。
あと、仕事をくれるタイミングの悪い人がいる。逆にタイミングのいい人も。仕事は自分で選んでいると同じ仕事ばかりになるので、タイミングよくやってきた仕事を受けるのはけっこうおもしろい。「仕事は忙しい人に頼め」というのは本当で、暇している人には仕事は頼まない。「ライターは仕事を選んではいけない論争」というのがあるが、僕は仕事は選ばなければならないと思っている。(上阪)
O・上阪さんの凄いところは、仕事はきちんとこなして納期を守った上で、土日もしっかりやすんでいるところ。少なくとも私の周りにそんなライターはいません。ビジネスの領域から逸脱してライターになった人間が多いことも関係しているのか、ライターにはだらしない人が多かったりしますよね。これは業界の特性だと思い込んでいましたが、ビジネスライクにライター業を行う上阪さんのようなモデルがあることに驚きました。ひょっとすると、上阪さんは「当たり前のことをきちんとしている」だけなのかもしれません。ライター業界ではそれができるだけでも一目置かれると上阪さんはおっしゃいます。確かにきちんと納期を守れるライターがいると、編集部やメディアは信頼を置くことでしょう。ビジネスとしてライター業を行うことについては、今後自分も意識しないといけないなと痛感しました。
Q5・仕事が来るライター、仕事に困るライター
A・来年どころか、来月のこともそうなるかわからないのがフリーライターという仕事。しかし、意外と出版社からしか仕事はこないと思っている人が多い。私は元々講談社とのパイプは持っていなかったが、つないでくれたのは税理士からだった。仕事は会社だけでなく、人のつながりから生まれるものです。仕事に困っているライターは、基本的に営業をしていないことが多い。振り返ると、年賀状などはきちんと出していた。出すと意外に仕事がやってきたりする。(上阪)
A・営業に関しては、時代に依るものを大きいと思う。年賀状などは、現在ではFacebookやTwitterといったSNSが代用となっているかもしれない。いずれにしても、先方は今この人が何の仕事をしている人なのかを知りたいもの。だから自分のポートフォリオはしっかりとつくっておいた方がいい。たとえブロガーでも、ブログ記事を編集しておくことで興味を持ってもらえることがある。しかし、「ライター」だけを宣伝しても人は読んでくれない。パーソナリティなことも付随して発信しておくことが望ましい。(宮脇)
O・フリーランスになって一番不安なのがここですね。今ある仕事が来月あるかはわからない。仕事なんていうのは結局人とのつながりからしか生まれないのだから、どんな形であれ「営業」はしていかなければならない。私の場合だと、運営ブログの記事を相手に合わせてマッチングして編集し、送信メールに追記するだけでも営業代行してくれる。人とのつながりがなくなるのは、忘れられたとき。そういった意味でも積極的に宣伝だけではない情報発信を行なったほうがいいということですね。
Q6・ライターに専門性は必要?
A・ひとつはコレというものがあったほうがいいでしょう。しかし自分で言い回るのではなく、人に宣伝してもらうのが一番効果がある。取材をメインにしていると厄介な仕事が回ってくることもある。お互いが貴重な時間を使っていることを理解している人とじゃないと仕事はしたくない。また、自分がどういったライターなのかを把握しておいたほうがいい。専門性を持って、別のジャンルに飛び込むと意外と需要がある。「ライターやってます!」と常に周りに言っておくと仕事が回ってくることもある。(上阪)
A・取材はおもしろい仕事ですが、ミュージシャンやアーティストなどは話を聞くのが難しい。まともにインタビューできないこともしばしば。ビジネスで考えるならばお互いの貴重な時間を使っていることを理解していることが望ましいが、対象によってそこは変わるかもしれないですね。(宮脇)
O・私が非常になやんでいるのがこれ。当ブログを読んでいただくとわかりますが、これといって専門性はないんですね。雑多なブログと言い換えてもいいと思います。ジャンルを絞らないスタイルで成功している人もいますが、やはりウリとする何かは欲しいなと思います。元々は社会問題をテーマに固い記事を書いていたこともありますが、思想的な偏りによって勝手に色をつけられると今後の活動に影響も出ますので、最近は控えています。書いていて楽しいのはエンタメ系ですが、このジャンルはかなりのレッドオーシャンですし、飛び込む勇気がイマイチ持てません。「自分は○○を得意としているライターです!」と自信を持って言えるように専門性を身につけたいところです。
Q7・ライターと編集者、何がどう違う?
A・何をもって「編集」とするかにもよるが、自分で目次やデザインを行なうライターには需要がある。編集のことがわかっている方が、ライターとしての仕事の幅は広がる。ライター側も、自分の思いどおりにつくるだけではなく、感性の違いや年代による差を考え相手(編集者)をリスペクトすることで、さらによいものがつくれることもある。私の場合は、その結果スターバックスの本が売れた。編集と合うかどうかは結局直感。(上阪)
O・ライターの活動がウェブに浸食していくことで、編集的要素を求められることが今後増えていくと考えられます。特にニュース系メディアなどでは、記事本文よりもいかに見出しでユーザーを引きつけられるかが求められているのが現状。よりコピーライター的な目線が必要になってきます。私がこの目線がどうにも弱く、ブログのタイトルをいつもウンウンいいながら考えています。1000字くらいの記事だと見出しを考えている時間のほうが長かったりしますから。単純に、ただ書けるだけのライターよりも編集目線があるライターのほうが需要があるのは明白。コピーの勉強も必要になってきますね。
Q8・紙とウェブ、やっぱり違う?
A・僕がウェブに掲載している記事は、基本的にウェブ用に編集しているわけではなく、普段の体裁をそのままウェブに持っていっているだけ。ウェブにあげた記事のタイトルも編集部任せ。ウェブはページ単価も低いし、デフレスパイラル状態ですね。(上阪)
A・現在の若い人たちには、紙の選択肢があまりないのが現状。ウェブは結局見出しが命、つまりコピーライティング能力次第なところがある。ということは、ウェブのライティングは編集的要素が非常に強いのかもしれない。とはいえ釣りタイトルがあまりに氾濫しているので、これが続くとウェブメディアの凋落も想定される。ウェブは独自の成長をしないといけない。(宮脇)
O・ライターにも編集要素が必要となってくる点は前Qに同じ。ウェブではいわゆるページビュー至上主義が基本になっていますが、その結果「釣りタイトル」が氾濫しています。みなさんもタイトルに引かれてクリックしてみたら、タイトルにそぐわぬつまらない記事で憤ったことがないでしょうか?私はそんなことしょっちゅうです。特に「○○な人生を送るために必要な10のこと」系の記事にはよく引っかかります。タイトルに具体的な数字を入れると興味を引きやすいということはわかりますが、記事がクソなら台無しだし、もう2度とそのサイトを訪れなくなってしまうかもしれません。それを見据えてか、オウンドメディアなどで安易なページビュー数評価ではなく、記事重視の評価システムを導入しているところが増えてきています。宮脇さんがおっしゃるようにウェブメディアの凋落も容易に考えられるので、優良な記事が正当に評価されるシステムにしていきたいものです。
Q9・トップライターはいくら稼げるのか。
A・ここはオフレコです!(上阪)
O・本イベントで唯一オフレコなのがここ。正直、上阪さんがいくら稼いでいるか知ったら、世のライターたちは仰天するんじゃないでしょうか。私は心底驚きました。具体的な数字は出せませんが、ライターが稼げないなんてウソですね。きちんとビジネスとしてライターをやっていれば、ちゃんと稼げるということを証明してくださいました。衝撃ではありますが、私たち駆け出しのライターにとって「希望」でもあります。
上阪さん曰く、どうすれば早く仕事を終わらせることができるかは常に考えているそうです。ライターには文化的な仕事とビジネス的な仕事があり、上阪さんはあくまでビジネス的なライター。実はこの分野には他にライターがあまりいない。文化的な仕事を求めてライターになっている人が多いんですね。会社員をドロップアウトしてフリーライターになった私も、文化的な仕事としてライターをやっている感があります。いい悪いではなく、自分がどういった働き方・稼ぎ方をしたいかはしっかり考えておかなければならない。
本イベントで聞いた上阪さんの働き方もそのひとつ。言うなれば上阪メソッドですね。必ずしもそのメソッドが正しい訳ではなく、自分なりの働き方を考えてほしいと上阪さんはおっしゃっていました。何よりも同業者と比べないことが大事。ライターは儲からないと言われているが、それは儲からない既存の働き方をしているからにすぎない。勝手に自分を定義してくる人には関わらないほうがいい。
上阪さんはおっしゃいます。「食えない」と定義されるライター像をぶちこわしたい!ブックライターは本当に足りていない。需要はある!
Q10・ライターとして生きていきたい人へ伝えたいこと
A・まず、自分のための仕事はしないこと。誰かのための仕事をすすんでする。ライターの仕事は個性を殺すこと。もしも個性を発揮したいのなら作家になればいい。もちろん僕と違うモデルはあるし、とにかく「固定概念」は切り捨てよう!こんなイベントで言うのもなんですが、あまり人の言うことを真に受けないほうがいい。僕はマニュアルじゃなくて、そのエッセンスを吸収することが大事だと思う。ちなみに、出版社で付き合いが大事なのは現場。編集長とつ付き合っても仕事はもらえないし現場に煙たがられるだけ。(上阪)
A・僕はライターに仕事をふる際に、その人がこのギャラで食っていけるのかを考える。ちゃんと食べていけるようなライターを目指してほしい。食べていける以上を目指すのであれば別だが、ベースは決めておいた方がいい。編集長と付き合うのではなく、現場と付き合うべし。(宮脇)
O・何の仕事であっても、誰かに喜んでもらえなければお金はもらえない。そこはしっかりと踏まえた上で、自分が「ライター」として書いていきたいのか「作家」として書いていきたいのか、明確に考えておかなければならない。そして「ライターは稼げない」という固定概念を切り捨てること。漫然ともらった仕事をこなすだけではなく、どうすれば早く仕事を終わらせることができるか、どうすれば自分のしたい働き方ができるかについて、自分の頭で考えるべし。「この仕事はこうするものだから」なんていう固定概念に従っていてはいけない。
質疑応答
Q・駆け出しのライターですが、実は書くのが好きなわけではないし得意でもない。どうやって文章を書く練習をされましたか?
A・書くのではなく、読む練習をした。分量が決まっている仕事は、順序や構造が決まっている。どういう順番で書くかで決まることも多い。何を伝えたいかから構造を考える。冒頭と落ちは最初に決めるなど、自分のやりやすい決め方を考える。文章を学ぶには沢木耕太郎の「若き実力者たち」を読むことをオススメする。(上阪)
※上阪さんは冒頭と落ちは最後、宮脇さんは冒頭と落ちを最初に決めているとのこと。
Q・宣伝会議の受講生ですが、流れで医療系の仕事を依頼されるようになりました。しかし取材で、難しくてわからないような内容やアフレコの話ばっかりされます。どうしたらいいのでしょうか。
A・それはもう口を挟んで「書けない」と言うしかない。または、きっちりメモしておいて貯めておくとその後の人生で役に立つことは多い。データベースはつくっておいた方が良い。(上阪)
Q・締め切りを守る、土日は仕事しませんという極意は、どうすれば守ることができるでしょうか?
A・締め切りは自分で決めるもの。人から言われる締め切りはデッド。編集者からすると、締め切り前に原稿が来るとイメージ超アップする!まずは前倒しで終わるように予定を組んでしまう。あとはそれに従うだけのこと。自分の締め切りを守るのは達成感に結びつくことを意識する。(上阪)
Q・佐村河内氏の事件でゴーストライター問題が浮上したが、ブックライターをされている上阪さんはあの事件についてどう思われますか?
A ・ゴーストライターにもいろいろあるが、問題となるのは完全な創作であった場合ではないか。私のやっているブックライターという仕事では、対象者に取材もしているしいエッセンスは多分に含んでいる。ゴーストにならないために連名にしたり署名できれば本当はいいが、出版界の事情で事実上は難しい。そもそも、ユニクロの柳井社長のような経営者が自分で本を書いていると思っているほうがどうかしているのでは?もしブックライターが問題になったとすると、世に出ているビジネス書は9割はなくなってしまうでしょうね。(上阪)
O・ これには激しく同意。私が周りの人に聞いてみたところ、ビジネス書は経営者や著名人自らが筆をふるっていると思い込んでいる人が多かったので驚きました。そうでなくても忙しい人たちが執筆に時間を費やしているわけがないじゃないですか!(もちろん例外はあります)私はブックライターが脚光を浴びる機会があってもいいんじゃないかと思いますので、願わくば連名制になってくれるといいなと考えています。
最後に
いかがでしたでしょうか?
11,000字を超えてしまいましたが、イベントの全貌はなんとか網羅できたかなと思います。この後は上阪さん・宮脇さん両名と有限会社ノオトのスタッフを含めた人たちで懇親会が開催されました。イベントが「ライター」を対象としたものですので、当然参加者もライターさんが多いわけで、結果同志が集まったこの懇親会は大盛り上がりでした。フリー、会社員を問わず多数の方とつながることができたので、個人的にも大満足のイベントとなりました。
企画者の有限会社ノオト代表・宮脇さん、ゲストの上阪さん、スタッフの皆さん、楽しきイベントを企画いただきありがとうございました!コワーキングスペース「CONTENTZ」をこれからも利用させていただこうと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。