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【与沢翼の会社が破たん】ストーリーテラー・与沢翼の次回作にご期待下さい!

秒速で1億円稼ぐ男で有名な与沢翼氏が、自身が経営する会社・フリーエージェントスタイルホールディングスが破たん状態にあることをブログで公開し、話題を呼んでいます。

『ご報告』|与沢翼公式ブログ

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突然の破たん報告 

4月26日のブログから、資金がショートしてしてしまった概要を引用させていただきます。

2013年8月期決算の法人税、住民税、及び事業税2億5千305万の支払いのうち約1億1千万円並びに2012年8月期の修正申告分の税として8940万7200円を追加で計約2億円支払い、並びに2014年8月期決算予定納税の一部を支払い、フリーエージェントスタイルの資金が完全にショートしました。

 

わりと突然の発表だったこともあり、yahoo!ニュースにも取り上げられるくらい話題となっているようですね。ブログやメディアでは常に大言壮語を繰り返していたため、なんだかんだでウハウハ状態なんだろうなと思っていましたが意外や意外、まさかの事実上倒産まで追い込まれていたとは…。

「秒速で1億円稼ぐ男」与沢翼、すってんてんに 「お金持ちのふり」するのに疲れたと告白 (J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース

 

結局、彼は何のビジネスをしていたのか? 

秒速で1億円稼ぐ条件

秒速で1億円稼ぐ条件

 

 

 

与沢さんが有名になったのはおそらく、上の著書が話題を呼んだことから始まるでしょう。何せタイトルが「秒速で1億円稼ぐ条件」ですからね。ネット界隈で「秒速で◯◯」という言い回しが流行ったりもしました。あまりに突飛なタイトルですが、「まぁ誇大広告だよな」と思いながらもふと手に取ってしまう引力があるのも事実。賛否両論(主に否ですが)のコメントで書籍レビュー欄は荒れまくっていますが、それすらも結局は宣伝効果になっていたんでしょうね。

 

その他にも、ビジュアル的に非常に気持ち悪い、こんな本も出しています。↓ 

ネオヒルズ・ジャパン 与沢翼責任編集長 (双葉社スーパームック)

ネオヒルズ・ジャパン 与沢翼責任編集長 (双葉社スーパームック)

 

 

家の近所の書店にて、有名ビジネス雑誌に混じってこの本が並んでいたのですが、そのあまりの異質さに思わず手に取ってしまいました。こんな本を立ち読みしていること自体が恥ずかしくてしょうがなかったというのに。彼がいわゆる情報商材で儲けていることはいろんな記事や本を読んでいく中で理解していましたが、具体的にどんな手法で幅を効かせてきたのか。私自身は極度なアンチネットビジネスですので生理的に彼がやっていることは体が受け付けないのですが、その手法自体にはとても興味が湧きました(ただの興味本位ですけどね)。

 

でもおもしろいことに、こういったビジネスをしている人の著書を読んでも「具体的に何をなっているのか」がさっぱり分からない。本質から数メートル離れたところをグルグル回っているような上っ面だけが延々と述べてあり、全く本質に辿り着けないんです。

 

今回の破たん報告を知って様々なメディアに記事が寄せられていますが、その中に与沢氏の仕事に触れている記事がありましたので引用させていただきます。

作家 与沢翼の天才 : 戦争だ、90年代に戻してやる

そもそも「フリーエージェントスタイル」とはどんな事業だったのか?

簡潔に言うなら、情報商材の販売会社である。

 

まず与沢氏が「俺はこういう方法で金を儲けた!その儲け方を教えてやる!!!」と儲けていない時期に宣伝し、それに騙された人間がお金を払う。

 

すると与沢氏はだんだんお金持ちになって行き「本当に」儲かるようになる。すると「やはりこの方法は儲かる!!!」ということになり商材の信頼度が上がっていく。

 

このサイクルが雪だるま式に大きくなってだんだん情報商材(と与沢翼自身)の価値が上がっていき、ついには3800万円をかけた「JR広告ジャック」やテレビ出演などが可能になり、さらに知名度が大きくなりさらに儲かるというものである。

 

ちなみに肝心の情報商材は「有名人になって儲け方を教える」という内容で、そのまんま「俺の真似をしろ」というもの。要するに知名度のネズミ講である。

 

なるほど、そうだったのか!

「知名度のネズミ講」とは上手いこと言ったものですね。私にはこういった情報商材に踊らされてしまう人たちの思考がよくわかりませんが、「手っ取り早く儲かる仕組み」を知るためにつぎ込む金には糸目をつけないということなんでしょうか。

 

引用元のブログにも書かれていますが、与沢氏のバックボーンとなるストーリーテリングは非常に魅力的です。

 

彼の人生はまさにハチャメチャ。

埼玉県のど田舎で生まれ育った与沢氏は小学生の頃からすでに仕事をしていて、中学生・高校生時代には不要になった服やバイクの転売ビジネスを行なっており、月収50万円(!)以上稼いでいたというから驚きです。その内に車の転売事業にも手を出して、購入時いローンを組ませる関係で金貸業も初めていたそうです。たぶん商才があり、かつ頭もよかったんでしょうね。

 

野心に溢れる与沢氏の生き方・働き方に感化されてファンになってしまった人が、結果的に彼の販売する情報商材を買っているという流れであれば、至極納得のいく話です。

 

魅きよせられるストーリーテリング

モノがあふれるこの時代にモノを売るのは大変難しいこと。そんな現代でモノを売るには「ストーリー」が必要なことは明白でしょう。海外で薬品漬けにされて育てられた生産者の見えない安い野菜を買うよりも、千葉県◯◯市で△△さんが苦心の末に無農薬で育てあげたちょっと高い野菜を買うことに意味があるように。

 

与沢氏の場合も、その破天荒な生き様や現在の成功ぶりを見せつけることで求心力を得ているのでしょう。もはやファンになる人の感覚を狂わせてしまうのかもしれません。

 

金持ちキャラは「演技」だった!?

今回の破たん報告内容で、一番驚いたのはこの発言です。↓

(前略)

私が何者になるか、何者になりたいのか、いまだ自分でもよくわかっていませんが、全力で復帰する努力をしますとだけお伝えしておきます。

 

しかしもう金への執着はありません。散財をすることもありえません。

 

生きてるだけで幸せです。

 

新しいビジネスは、価値に比例する適正利益だけで十分すぎます。膨大に儲けることはもう考えていないからです。

 

今日から無理をしてお金持ちのふりをする必要がなくなったので、楽になりました。

 

 

もう大分疲れたんだと思います。

 

えー!あの極端なまでの「金持ちアピール」は演出だったの!?

まぁ言葉通りに信じることはできませんが、意外な言葉ですね。マスコミや世間が煽るのに応じ、無理しながらも「金持ちキャラ」を通していたというのでしょうか。破たん直後で落ち込んでいるのかもしれませんが、これも今後の復活に向けてのストーリーテリングだとすると末恐ろしいものを感じます。

 

与沢氏は作家なのかもしれない。

作家 与沢翼の天才 : 戦争だ、90年代に戻してやる

先に引用させていただいた上記のブログ記事と同意見なのですが、彼の本分はひょっとすうと「作家」なのかもしれません。以前に付き合っていた彼女と別れた後に、秒速で新しい彼女をつくったという話がブログに掲載されていましたが、それも非常におもしろい文章でした。やっていることはクズなのに、妙に読ませるんです。今回の破たん報告記事もそうで、物語として読むなら非常におもしろいんじゃないでしょうか。文章が上手いのかどうかわかりませんが、読みやすいのは確かです。

 

私自身は与沢氏に何の共感もしていませんし、似合いもしない高級なスーツをブクブクと太った体に身につけているのを見ると吐き気がします(すいません、自堕落による肥満体は生理的に嫌いなんです)。情報商材にも全く興味はありませんし、身の丈に余るお金を持つことへの恐怖心もあります。おそらく私と与沢氏に何の共通点もないと思いますが、文章を書く仕事をしている者として、彼の文章に対して何らかの複雑な思いがあるのは事実です。憧れではなく、嫉妬でもなく。ストーリーを語る力に、少し引き寄せられているのかもしれません。嘘八百を並べているだろうという疑いも濃厚だというのに、不思議なものです。

 

あまり認めたくはありませんが、彼の次回作は読んでみたいと思います。「フリーアルバイター・与沢翼」が始まったりするんですかね。

 

秒速で10億円稼ぐありえない成功のカラクリ

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