染谷昌利『成功するネットショップ 集客と運営の教科書』は技術書ではなく、商売人必読のマーケティング教科書だった。
献本いただきありがとうございます!
書籍『ブログ飯』で有名な染谷昌利さんが著者として名を連ねている新刊『成功するネットショップ 集客と運営の教科書』。実は3週間程前にソフトバンクパブリッシング社様からブログやAmazonにレビューを書くことを条件に献本頂いていたのですが、あまりに濃い内容と分厚さでなかなか読み尽くすことができず、アップするのが今頃になってしまいました…。染谷さん、すみません!
…とは言ってみたものの、実は記事をアップするのは本日19日にしようと献本頂ける前に決めていました。というのも、本日は染谷さんのこのイベントに参加する事が決まっていたんです。↓
私がエヴァンジェリストとして活動している人と人を繋ぐマッチングサービス・コーヒーミーティングで出会った方が、このイベントが開催されるコワーキングスペース・7F(ナナエフ)のスタッフだったことから情報をシェアしてもらい、本イベントに参加させて頂くことになりました。
しかもこのイベントでは、染谷さんに自分が運営しているブログを1対1の個別指導により添削してもらえるという企画なんですね(お客さんに見られる中で、ですが)。希望者先着5名にその権限が与えられるのですが、私は当然ながら添削してもらう方を選びました。プロに添削してもらえる機会なんて、そうそうありませんからねー。イベントについては後日レポートをアップしますので、ぜひそちらをご覧になってください。
『成功するネットショップ 集客と運営の教科書』
さて、それでは書籍レビューを書きたいと思います。
染谷さんといえば前述した通り『ブログ飯』という書籍が有名ですね。もちろん私も持っていますし、付箋貼りまくって何回読み直したかわからないくらいです。
『ブログ飯』はブロガー向けの本。
『成功するネットショップ 集客と運営の教科書』はネットショップ運営者向けの本。
…というふうに見えますよね、タイトルだけを読むと。
しかし『ブログ飯』を読んだ方ならわかるかと思いますが、この本はブログを書く小手先のテクニックが書いてあるわけではなく、どちらかというと心構えやそもそもの考え方について書かれているんですよね。ですから、即PV数がアップするような裏ワザや手法を教えてもらおうと思って手に取った人には肩すかしな内容だったかも知れません(まぁ、そんな裏ワザはそもそも無いということにその内気付くとは思いますが)。
そして新刊『成功するネットショップ 集客と運営の教科書』。
こちらもタイトルを読むと、ネットショップをイチから組み立てていく手順書なのかなと思うかもしれません。きっと『ブログ飯』を読んだときの感想と同じものが出てくるんじゃないでしょうか。つまり、ただの手順書ではないんです。ネットショップを運営する上で必要となる基本的な考え方から入り、USP(Unique Selling Proposition)※を第一に必要なものとして取り上げています。
※USP(Unique Selling Proposition)
自社や自社製品のみが持つ、独特の強みのこと。他社や他社製品と明確に差別化が行えるような、市場に対する独特の提案を意味する。
もちろん手順は書いてありますが、その通りに組み立てれば必ず成功するというものではなく、立ち止まって考えないといけない場面が多いんです。パパっとショップサイトつくって出来上がり♪…でモノが売れる時代はとうに終わりました。
私たちが大手ショッピングモールサイト相手に真っ向勝負しても、金額やフォローアップ等の面では到底太刀打ちできません。例えタメを張れたとしても、待っているのは過酷な価格競争です。某牛丼チェーンやファーストフードのような値下げ合戦を繰り広げたところで、ファンはつかないし自分が疲労するだけです。
そのためには「ここでしか買えない価値」を提供しなければならないし、ストーリーを提示しなければならない。そう、先に紹介したUSPを徹底的に考えないとならないのです。
元々ネットショップ系の本と言えば技術面に特化したものが多く、初心者やECサイトに詳しいものでなければチンプンカンプンということもザラにあります。その観点で見ると、この本は『マーケティング』に分類されるのかもしれません。さらに言うとマーケティング書であるならば、ネットショップのみならず商売をしている人なら誰にでも応用の効く教科書となり得るでしょう。それこそ、私のようなフリーライター/ブロガーにとっても。
技術書であれば、テクノロジー進化の早いこの時代ではあっというまに古びてしまう本となる。しかし、マーケティングの教科書として生まれたこの本はそう簡単に古びない。個人で活動することに決めた私にとっても、長い間ともに歩むことになる教科書になりそうです。
※タイトルから勘違いされる恐れがあるなと思ったのですが、ネットショップの具体的な運営方法(ショッピングカートシステムや決済など)については詳細に記述されていません。私は特に、ネットショップそのものの運営の仕組みについて知りたいわけではなかったので問題ありませんでしたが、そういった手順書だと勘違いされてしまいそうなのはこの表紙デザインとタイトルなのかもしれませんね(デザインを否定しているわけではなく、内容にふさわしいものだったかどうかという点においてです)。↓